Google検索オフィスアワーまとめ|2024年11月28日分

検索を学ぶ

2024年11月28日に公開されたGoogle検索オフィスアワーの内容を、質問ごとに整理しました。質問は7件、収録は17分ほどです。司会は小川安奈さん。

短めの回ですが、内容は濃いです。被リンクリストの配布についてGoogleが「リンクを購入することは無駄になる可能性がある」と述べた場面と、指名検索でサイトが消えた原因がセーフサーチだったという診断が特に目を引きます。

先に:いま読むときの注意点

回答の内容は現在も通用します。

この回では「次回は2024年12月19日を予定」とアナウンスされましたが、同時に質問があまり寄せられなければスキップする可能性もあると明言されています。結果として12月の回は実施されず、次の公開は2025年1月30日になりました。

冒頭で紹介されている「サイトの評判の不正使用」ポリシーの更新は、収録時点では英語版のみでした。日本語版を含む詳細な説明は1月30日の回で改めて行われています。

取り上げられた質問

1. Xで配布されている被リンクリストはページ評価につながるか

質問の要旨:Xなどでバズ目的で被リンクリストの配布を行っている人が最近よく見られる。このようにリンクを配布する行為についてGoogleの意見を聞かせてほしい。またこのようなリストからのリンクはページ評価につながるか。

Googleの回答:担当チームにも確認したところ、リンクスパムに関するポリシーをもう一度確認してみてはどうかという提案を受けた。そこには、Googleはウェブページの関連性を判断するための要素としてリンクを使用しているが、検索結果のランキングを操作することを目的としたリンクはリンクスパムとみなされる場合がある、と書かれている。これには自分のサイトへのリンクを操作する行為も、自分のサイトからのリンクを操作する行為も含まれる。

またプロダクトチームからもう一点共有したい内容として、長年にわたって信頼できるリンクの検出が大幅に改善されている。そのため現時点では、リンクを購入することは無駄になる可能性があると思っている

補足この回で最も明確な発言です。 リンク購入は無駄になる可能性がある、と検出精度の向上を根拠に述べています。ペナルティのリスクを警告するのではなく、そもそも効かないという言い方をしている点が特徴的です。

質問は被リンクリストの配布についてでしたが、回答はリンク操作全般に広げられています。配布する側も受け取る側も、ランキング操作を目的としていればリンクスパムの対象になるという整理です。

該当箇所:4:37

2. 意図的なnoindexや404にも警告が出る

質問の要旨:サイトの方針としてインデックスを想定していないページにnoindexをかけている。また非公開化済みで公開期限の過ぎた求人ページには404を返している。しかしこれらについて数十万件の警告が来ている。いずれもサイトとしては健全に対応しているつもりで、修正のしようがないと理解している。どうすればこの警告は消えるのか。あるいはGoogleが望む状態とはどういうものか。

Googleの回答:レポートの表示方法について分かりにくい部分があったなら申し訳ない。今回のケースについては、Search Consoleが予期しない問題を見逃さないようにアラートを送信しているだけのように見受けられた。そのためこれで問題ないのであれば、つまり意図的にこのように実装しているのであれば、この警告は無視してもらって構わない

補足:Search Consoleの警告をすべて解消しようとする必要はない、と明言された回答です。

Search Consoleのレポートは「問題を見逃さないため」の仕組みであり、意図的な実装まで区別してはくれません。求人サイトのように期限切れページが大量に発生する構造では、404やnoindexが数十万件並ぶのは正常な状態です。

該当箇所:6:42

3. 指名検索でサイトが出てこない

質問の要旨:指名検索のキーワードで検索してもサイトが引っかからない。8月のアップデート以降、指名検索ワードのトラフィックが99%以上減少している。

Googleの回答:具体的なサイトやクエリの情報が添えられていたためデバッグできた。そのうえで伝えられることとして、セーフサーチを有効にした場合と無効にした場合の検索結果を見比べると、大きな違いがあることが分かった。Googleのセーフサーチフィルターは、ユーザーがブラウザの設定を変更することで、露骨な表現を含むコンテンツが検索結果に表示されないようにするための機能である。トラブルシュートには公式ドキュメント「セーフサーチとウェブサイト」を参照してほしい。サイトを確認すれば修正のヒントとなる箇所があると思う。

補足:アルゴリズムアップデートの影響を疑っていた質問に対して、原因はセーフサーチだったという診断です。

自分のサイトがセーフサーチの対象になっているかどうかは、セーフサーチのオン・オフを切り替えて検索結果を比較すれば分かります。トラフィックが急減して原因が思い当たらないとき、確認手順としてはかなり簡単な部類です。

同じテーマは2025年3月27日の回でも扱われていて、そちらではアダルト判定を受ける条件について「サイト上の他のコンテンツと組み合わせて性的な意味を持つ可能性がある用語がないか確認してほしい」という説明が出ています。単語単体ではなく文脈で判定される、という点が対処のヒントになります。

該当箇所:8:02

4. a要素のhreflang属性は見ているのか

質問の要旨:a要素に付与するhreflang属性をGoogleは参考にするか。Wikipediaなどが使用している形式である。

Googleの回答:担当チームに聞いたところ、「簡単にNo, Noというだけでいいと思うよ」ということだった。簡単な回答になってしまうが、Googleはそのような属性を参考にしていない

補足:明快な否定です。hreflangとして機能するのはlink要素やHTTPヘッダー、サイトマップで指定するものであり、リンク(a要素)に付けた属性は見られていない、ということになります。

Wikipediaが使っているから有効だろう、という推測が否定された形です。他サイトの実装を根拠に効果を推し量るのは危ういという例にもなっています。

該当箇所:9:29

5. 上位表示されていたクエリが一気に40位台へ

質問の要旨:病院系のウェブマーケティングを担当している。送付したクエリでいきなり40位台まで下落した。他のページでも今まで上位表示されていたものが一気に下落している。YMYL領域についても問題ないと考えており、なぜここまで下落したのか分からない。全体のインプレッション、クリックともに1ヶ月で70%以上低下している。下落要因と改善策を教えてほしい。

Googleの回答:具体的なサイトやクエリの情報が添えられていたためデバッグできた。ただし今回のケースは、美容医療の施術名や悩みなど一般的なクエリで検索した際にパフォーマンスが下落したという内容だった。一方でクリニック名で検索すると検索上位に表示されていた。そのため、サイトの技術的な問題というよりも、アルゴリズム的に競合の多いクエリで検索しているためにこうした事象が起きているのではないかと感じられた。このような場合、単一の解決方法があるわけではないので、ユーザーにとって良いコンテンツになるよう継続的にサイトを改善していく他ないと思う。具体的な解決策を提示できず心苦しいが、サイトを見直すきっかけになれば幸いである。

補足:診断の手順として参考になります。一般的なクエリでは落ちているが、指名検索では上位に出ている。この切り分けができれば、サイト全体が評価を下げたわけではないと分かります。技術的な問題やペナルティであれば指名検索にも影響が出るはずだからです。

同じ構図の回答が2025年8月7日の回にもあります。そちらでは「過去に上位に表示されたサイトが今後も上位に表示され続けることは保証できない」「一般的なキーワードで上位にランクインし続けるのは難しい」と、より踏み込んだ言い方がされていました。

該当箇所:10:21

6. Discoverのクリックがゼロになった

質問の要旨:Discoverのクリック数が毎日数千あったが、2023年12月末からゼロになりそれが継続している。Discoverのコンテンツポリシー違反はしておらず、多くの読者に評価されるユーザー第一の信頼できる有用なコンテンツを提供している。何か問題がないか教えてほしい。

Googleの回答:該当サイトに関する情報が添えられていたため確認できた。ただしこれは最近よく聞かれる内容でもあるが、Discoverはプロダクトの特性上、ユーザーの興味関心に基づいてコンテンツを表示しパーソナライズされているため、パフォーマンスを計測するのが非常に難しい類のプロダクトである。トレンドによって表示されるコンテンツも変化し続けるものなので、こうした質問には答えたくてもなかなか明確な回答ができないのが現状である。

補足:Discoverについては明確な回答が出せない、という立場が示されています。パーソナライズされているため、そもそも「なぜ表示されなくなったか」を説明する枠組みがない、という説明です。

この姿勢はその後も変わっていません。2026年6月18日の回でもDiscoverのインプレッション急落についての質問がありましたが、そちらは「確認したところ現在は回復しているように見えた」という個別の確認に留まっています。

Discoverからの流入は制御しにくい前提で、依存度を管理しておくのが現実的な向き合い方でしょう。

該当箇所:12:25

7. Googleアナリティクスで計測できなくなった

質問の要旨:GAで計測できなくなった。

Googleの回答:こちらは検索に関するオフィスアワーなので、Googleアナリティクスに関する質問はGoogleアナリティクスのヘルプコミュニティに寄せてもらうほうが、よりコメントしてもらえると思う。

該当箇所:14:08

この回で紹介されたお知らせ

  • サイトの評判の不正使用に関するスパムポリシーが更新された。収録時点では英語記事のみの公開だったため、日本語で説明できる範囲が紹介された

この手法は、ホストサイトの既存のランキングシグナルを利用してサードパーティーのコンテンツをそこで公開するもので、コンテンツを他サイトより上位にランク付けすることを目的とし、ユーザーの検索体験を低下させる懸念があるものとして扱われています。今回の更新ではポリシーの文言が明確化され、ファーストパーティーの監督や関与がほとんどまたはまったくない状態でサードパーティーのページを公開すること、その目的がファーストパーティーのサイトのランキングシグナルを使用して検索ランキングを操作することである場合が該当する、と追記されました。

ポリシー違反を評価する際は様々な事項を考慮して判断されること、手動による対策を受けたサイトの所有者には登録済みのSearch Consoleアカウントを通じて通知が届き、そこから再審査リクエストを送信できることも説明されています。

なおこのポリシーについては、2025年1月30日の回で日本語版を踏まえた詳しい説明が改めて行われています。そちらでは、ファーストパーティーの関与の度合いが異なる多数のケースを審査した結果、関与がどれだけあってもサードパーティーのコンテンツであるという本質は変わらないという判断に至った経緯まで語られました。

まとめ

短い回ながら、実務に効く回答が3つありました。

リンクの購入は無駄になる可能性がある、という発言。Search Consoleの警告は意図的な実装なら無視してよい、という許可。そして指名検索で消えた原因がセーフサーチだったという診断です。

特に3つ目は、原因の切り分け方として汎用性があります。トラフィックが急減したとき、アップデートの影響を疑う前にセーフサーチのオン・オフで検索結果を比較してみる。手間はほとんどかからず、該当していれば一発で分かります。

また5番目の質問への回答で示された、一般クエリでは落ちているが指名検索では上位という切り分けも、原因の範囲を絞る手順として覚えておく価値があります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました