Googleアップデートの歴史|2003年から2026年まで全114件を時系列で解説

検索を学ぶ

2026年6月24日、Googleはスパムアップデートを実施しました。2003年のFloridaから数えて、公表されたアップデートは114件目になります。

この記事では、その114件を時系列で全部たどります。いつ何が起きて、どのサイトが動いて、Googleは何を止めようとしていたのか。順位が落ちた原因を今すぐ確かめたい方は第1章から、検索エンジンが23年間なにと戦ってきたのかを知りたい方は第2章から読んでください。

この記事の読み方

  • いま順位が動いている方:第1章 → 第7章 → 第6章の順で読むと、やるべきことが分かります
  • 歴史を通して理解したい方:第2章 → 第4章 → 第5章。ここだけで全体像がつかめます
  • 特定のアップデートを調べたい方:第3章の一覧表から絞り込んでください

本記事の情報源について

ロールアウトの日付と期間はGoogle Search Status DashboardおよびGoogle検索セントラルブログを一次情報としています。Googleの公式名称と業界での通称は区別して記載し、公式記録がない項目には【業界記録】と明示しました。参照した情報源は記事末尾にまとめてあります。

最終更新日:2026年7月28日

  1. まず確認:直近の確定アップデート
    1. 「ツールが反応した」はアップデートではない
  2. 3分でわかるGoogleアップデート史
    1. 第1期 2003–2010|スパムとの殴り合い(19件)
    2. 第2期 2011–2015|PandaとPenguinの二大粛清(20件)
    3. 第3期 2016–2019|信頼が問われ始めた(20件)
    4. 第4期 2020–2023|量産をどう止めるか(35件)
    5. 第5期 2024–2026|統合とAI検索(20件)
    6. 23年を3行でまとめると
  3. 全アップデート一覧(2003–2026・114件)
    1. 表の読み方
    2. 未確認の変動について
  4. 時代別に読む23年の変遷
    1. 第1期 2003–2010|アルゴリズムは、悪意を想定していなかった
      1. 検索エンジンは、なぜ騙せたのか
      2. 2010年12月、リンク=票のモデルが壊れた
      3. その裏で進んでいたこと
      4. この時代を一文で言うと
    2. 第2期 2011–2015|ページとリンクを積めば勝てた時代の終わり
      1. 記事は「作る」ものではなく「発注する」ものだった
      2. Panda、そして日本語圏だけ1年半遅れた話
      3. Penguinが壊したのは市場だった
      4. この時期のその他の動き
      5. SERPはどう変わったか
      6. この時代を一文で言うと
    3. 第3期 2016–2019|信頼が問われ始めた4年間
      1. キュレーションメディアという発明
      2. Googleが日本語検索だけを狙った
      3. 1年後、世界で同じことが起きた
      4. 裏側で進んでいた、別系統の変化
      5. SERPはどう変わったか
      6. この時代を一文で言うと
    4. 第4期 2020–2023|量産をどう止めるか
      1. 今度はレビューが儲かっていた
      2. Googleの手当ては三方向から来た
      3. 2023年9月、Googleは反発を受けた
      4. SERPはどう変わったか
      5. この時代を一文で言うと
    5. 第5期 2024–2026|アップデートが名前を失っていく
      1. 45日間のコアアップデート
      2. 同じ月に、検索結果の形が変わった
      3. そして2026年、変動が止まらない
      4. この時代を一文で言うと
  5. 5つの系統で整理する
    1. 系統1:コアアップデート
    2. 系統2:スパム・リンク
    3. 系統3:コンテンツ品質
    4. 系統4:技術・UX
    5. 系統5:検索理解・体験
    6. 単独更新が終わった系統が、3つある
  6. よくある誤解5つ
    1. 誤解1:コアアップデートはペナルティである
    2. 誤解2:順位が落ちた=コンテンツの品質が低い
    3. 誤解3:ツールが反応したらアップデートである
    4. 誤解4:変動に気づいたらすぐ直すべき
    5. 誤解5:AIで書いた記事はGoogleに禁止されている
  7. 変動が起きたときの実務手順
    1. STEP 0 まず、何もしない
    2. STEP 1 変動の開始日を特定する
    3. STEP 2 アップデートの期間と照合する
    4. STEP 3 落ちた範囲を切り分ける
    5. STEP 4 アルゴリズム以外の可能性を潰す
    6. STEP 5 待つ期間を決める
    7. やってはいけないこと
  8. これから
    1. 確認できていること
    2. 分かっていないこと
    3. この記事の更新について
  9. 用語集
    1. コアアップデート
    2. スパムアップデート
    3. ロールアウト
    4. ボラティリティ(変動幅)
    5. YMYL
    6. E-E-A-T
    7. 手動による対策
    8. SERP
    9. 未確認アップデート
    10. Search Status Dashboard
  10. よくある質問
    1. Googleのアップデートは年に何回ありますか?
    2. アップデートの影響を受けたかどうか、どう確認しますか?
    3. コアアップデートで順位が落ちたら、何をすればいいですか?
    4. 日本語検索だけを対象にしたアップデートはありますか?
    5. AIで書いた記事は順位が下がりますか?
    6. ペンギンアップデートやパンダアップデートは今もありますか?
  11. 参照した情報源
    1. Google公式(一次情報)
    2. 国内のSEO情報源
    3. 海外のSEO情報源
    4. 情報源としての性格の違い

まず確認:直近の確定アップデート

順位が動いていて、その原因を探しに来たなら、最初に見るべきはここです。

開始日アップデート名ロールアウト期間
2026年6月24日June 2026 spam update2日1時間
2026年5月21日May 2026 core update11日21時間
2026年3月27日March 2026 core update12日4時間

この3件がGoogleの公式記録に残っている直近のアップデートです。順位の変動がこれらの期間と重なっているなら、原因である可能性は高い。重なっていないなら、別の理由を探したほうが早いです。

「ツールが反応した」はアップデートではない

ここで一つ、最初に釘を刺しておきます。

SEOの順位変動チェックツールが大きく振れると、SNSでは「アップデートが来た」という話が必ず出ます。ただ、Googleが公表していない変動はアップデートではありません。ツールが検知したのは事実でも、Googleが何かを変えたという確認は取れていない状態です。

たとえば2026年7月11日、複数の計測ツールが大きな変動を検知し、業界では日付にちなんだ呼び名まで付きました。ただGoogleは何も発表していませんし、Search Status Dashboardにも記載がありません。こうした未確認の変動は、翌週には元に戻っていることも珍しくない。

未確認の変動に反応してサイトを触るのは、症状が出ていない病気の治療を始めるようなものです。まずは確定情報かどうかを切り分けてください。

原因を切り分ける最短ルート

  1. 変動が始まった日を特定する(Search Consoleの検索パフォーマンス)
  2. その日が上の表の期間と重なるか確認する
  3. 重なっていなければ、Search Consoleの「手動による対策」を確認する
  4. それでも該当しなければ、サイト側の変更(リニューアル、URL変更、サーバー障害)を疑う

詳しい手順は第7章、または順位変動時の調査・回復マニュアルで解説しています。

3分でわかるGoogleアップデート史

114件を一つずつ追う前に、全体を一本の線で見ておきます。23年分を一文にまとめると、こうなります。

Googleはずっと、「検索順位のために作られたもの」を排除し続けてきた。

これだけです。手口が変わるたびに対策の形は変わりましたが、狙いは23年間ぶれていません。以下の年表は、その繰り返しの記録です。

Googleアップデート年表 2003–2026

1マスが1件のアップデート。色は種別、丸印は日本語検索限定のアップデートです。マスを選ぶと内容が表示されます。

年表のマスを選択すると、ここに内容が表示されます。
コア スパム・リンク コンテンツ品質 技術・UX 検索理解・体験 仕様・基盤

第1期 2003–2010|スパムとの殴り合い(19件)

検索エンジンがまだ単純だった時代です。キーワードを詰め込む、隠しテキストを仕込む、リンクを買う。やれば効きました。Googleは個別の手口に個別の対策を当てる、モグラ叩きのような対応を続けます。転換点は2010年12月。悪評だらけの通販サイトが、批判記事から集まる被リンクのおかげで上位に居座っていた事件でした。リンクは票である、という初期の設計思想が破綻した瞬間です。

第2期 2011–2015|PandaとPenguinの二大粛清(20件)

Googleが本気で怒った時代。2011年のPandaが中身の薄いページを、2012年のPenguinが買ったリンクを狙い撃ちにしました。被リンクを販売していた業者のビジネスがまるごと消え、SEO会社の商品メニューが書き換わります。ページ数とリンク本数という、数えられるもので勝負がついた時代がここで終わりました。

第3期 2016–2019|信頼が問われ始めた(20件)

日本のSEOにとって特別な4年間です。Googleが日本語検索だけを対象にしたアップデートを、2017年に2回打っています。背景にあったのは、医療情報を無責任に量産していたキュレーションメディアの問題。そして翌2018年、同じ方向のコアアップデートが世界規模で行われました。「何が書かれているか」だけでなく「誰が書いたか」が問われ始めます。

第4期 2020–2023|量産をどう止めるか(35件)

件数が一気に増えます。この4年だけで全体の3割。Googleは商品レビューの品質、コンテンツの有用性、リンクスパムと、複数の系統で並行して対策を打ちました。2022年8月のHelpful Content Updateはその代表格です。ただ2023年9月の更新では個人ブログや小規模サイトの被害が大きく、業界からかなりの反発を受けることになります。

第5期 2024–2026|統合とAI検索(20件)

2024年3月、Googleは45日という観測史上最長のコアアップデートを実施し、そのなかでHelpful Content Updateをコアアルゴリズムに統合しました。個別の名前を持ったアップデートが、コアに吸収されていく流れです。同時にAI Overviewsが登場し、検索結果の見た目そのものが変わり始めます。2026年は3月・5月と大型のコアアップデートが続き、変動幅は記録的な水準になりました。

23年を3行でまとめると

  • 2003–2010:手口ごとに個別対応していた時代
  • 2011–2019:中身と信頼性という、数えにくいものを見ようとした時代
  • 2020–2026:対策がコアに統合され、検索の形そのものが変わり始めた時代

それぞれの時代で何が起きていたのかは、第4章で詳しく見ていきます。

全アップデート一覧(2003–2026・114件)

Googleが公表したアップデートの全記録です。種別、時代、情報源、日本語検索限定かどうかで絞り込めます。

表の読み方

他のアップデート一覧と違う点が2つあります。

ひとつは公式名称と業界通称を分けていること。「Medic」「Fred」「Mobilegeddon」「Florida 2」はいずれもSEO業界が付けた呼び名で、Googleの正式名称ではありません。この区別が曖昧なまま書かれた記事は多いのですが、Googleに問い合わせるときも、社内で説明するときも、正式名称で話せたほうが通ります。

もうひとつが情報源の確度を明示していることです。

記号意味どこまで信じてよいか
Google Search Status Dashboardに記載開始日も所要時間も確定。時間単位まで正確
Google公式ブログ等での発表あり内容は確実。期間は不明な場合がある
公式記録がなく、業界の記録に基づく日付が資料によってずれることがある

Search Status Dashboardの記録は2021年11月から始まっています。それ以前のアップデートは、Googleの公式ブログか、当時の業界の記録が根拠です。2010年以前については、そもそもGoogleがほとんど記録を残していません。「◎」だけで絞り込むと、正確な日付が確定している範囲がひと目で分かります。

Googleアップデート全一覧 2003–2026(全114件)

種別
時代
情報源(◎公式ダッシュボード ○公式発表 △業界記録)
114 件を表示中
時期名称種別期間情報源詳細

ロールアウト期間はGoogle Search Status Dashboardの表記(US/Pacific基準)に準拠。「◎」は同ダッシュボードに記載のあるもの、「○」はGoogle公式ブログ等での発表があるもの、「△」は公式記録がなく業界の記録に基づくものです。業界通称はGoogleの正式名称ではありません。

未確認の変動について

上の一覧には、Googleが公表したものだけを載せています。SEO業界で話題になった変動でも、Googleの確認が取れていないものは別扱いです。

時期業界での呼称状況
2026年7月11日7-Eleven update日付に由来する非公式な呼称。1週間後に巻き戻ったとの報告あり
2026年7月18–19日週末変動複数のSERP計測ツールが検知。Googleの公式記載なし

こうした変動を追うならSearch Engine Roundtableが最も速いのですが、確定情報ではないという前提を忘れないでください。

時代別に読む23年の変遷

ここからが本題です。5つの時代それぞれについて、その時期に何が儲かっていたのかから見ていきます。手口を知らないと、対策の意味が分からないからです。

第1期 2003–2010|アルゴリズムは、悪意を想定していなかった

この8年間のGoogleは、ずっと後手に回っていました。

検索エンジンは、なぜ騙せたのか

初期のGoogleは、ものすごく素直な仕組みでした。ページに書かれた単語を見て、そのページに向けられたリンクを数える。リンクは他サイトからの推薦、つまり票である。この発想が革命的だったから、Googleは勝ったわけです。

ただ、素直な仕組みは裏返しやすい。単語を増やせば関連性が上がるなら、詰め込めばいい。背景と同じ色にすれば読者には見えません。リンクが票なら、票は買えばいい。相互リンク集、リンクファーム、自動生成のサテライトサイト。手口はどれも単純でした。

2003年11月のFloridaは、そうした過剰な最適化を大量に排除した最初の大型変動です。クリスマス商戦の直前に多くの店舗サイトが圏外に飛び、SEOという言葉が業界の外にも知られるきっかけになりました。以降Googleは、Austin、Jagger、Big Daddyと個別の対策を打ち続けます。

ただし、これらの名前はすべてSEO業界が付けたものです。Googleは当時、アップデートに名前を付けて発表する習慣を持っていませんでした。

【業界記録】 2010年以前のアップデートは、Googleの公式記録がほとんど残っていません。この時代の日付や内容は、当時のフォーラム投稿や業界メディアの記録に基づくもので、資料によって数日から数週間のずれがあります。

2010年12月、リンク=票のモデルが壊れた

この時代でいちばん象徴的な事件が、2010年末に起きています。

顧客への対応がひどいことで有名なメガネの通販サイトが、なぜかGoogleで上位に表示されていました。理由は単純で、被害を訴える記事やフォーラムの投稿から、大量にリンクが張られていたからです。批判もリンクである以上、Googleにとっては票でした。

ニューヨーク・タイムズがこれを報じ、Googleは数日で対応します。ただ本質的な問題は残りました。リンクの数だけでは、評判の善し悪しは分からない。Googleが「数える」以外の方法を探し始めるのは、ここからです。

その裏で進んでいたこと

  • 2005年1月 rel=”nofollow”:コメントスパム対策としてYahoo!・MSNと共同で導入。リンクの意味を発信側が制御できるようになった
  • 2007年5月 ユニバーサル検索:画像・動画・ニュースを1つの検索結果に統合。10本のリンクが並ぶだけのSERPが終わった
  • 2009年8月〜2010年6月 Caffeine:インデックス基盤の全面刷新。新しい情報が数分で検索結果に反映されるようになった

この時代を一文で言うと

アルゴリズムが、人間の悪意を想定せずに作られていた時代でした。Googleはこのあと、悪意を前提に検索エンジンを設計し直すことになります。

第2期 2011–2015|ページとリンクを積めば勝てた時代の終わり

2011年からのGoogleは、はっきり言って怒っていました。PandaとPenguinを立て続けに投入し、それまで上位にいたサイトを片っ端から引きずり下ろしています。

なぜそこまでやったのか。当時の検索結果が、かなりひどかったからです。

記事は「作る」ものではなく「発注する」ものだった

2010年前後、SEOには二つの必勝法がありました。

ひとつは、とにかくページ数を増やすこと。海外ではコンテンツファームと呼ばれる業態が確立していて、検索需要のあるキーワードを機械的に洗い出し、それに合わせた記事を大量生産していました。1本あたり数ドル。中身の正確さは二の次です。

もうひとつが、被リンクを買うこと。日本でもSEO会社の商品メニューに「被リンク100本◯万円」が普通に並んでいた時代です。相互リンク集、サテライトサイト、中古ドメイン。リンクは票であるという初期Googleの設計思想が、そのまま市場になっていました。

どちらも効きました。だから誰もやめなかった。

Panda、そして日本語圏だけ1年半遅れた話

2011年2月23日、Panda。コンテンツファーム対策として投入され、Googleは米国検索の約12%に影響すると発表しています。薄いページ、他所と大差ない中身、広告ばかりのページが一斉に下がりました。

ただ日本のSEO界隈がPandaを本当に体感するのは、もう少し先です。8月に多言語展開が始まったあとも日本語・韓国語・中国語は対象外で、日本語検索にPandaが適用されたのは2012年7月。英語圏から1年半近く遅れました。

このタイムラグは、日本のSEOを考えるうえで地味に重要です。英語圏で「もう通用しない」とされた手法が、日本ではもう1年戦えた。海外の情報を追いかけるだけでは足元が読めない、という構造はこの頃から続いています。

Penguinが壊したのは市場だった

2012年4月24日、Penguin。狙いは不自然な被リンクと過剰なSEOです。

Pandaがサイトの中身を見たのに対して、Penguinは外から来ているリンクを見ました。買ったリンク、相互リンク、アンカーテキストを詰め込んだリンク。これらが評価されなくなり、場合によってはマイナスに働くようになります。

影響はサイトだけでは終わりませんでした。被リンクを売っていた業者のビジネスが、そのまま消えたからです。同じ頃、Googleは不自然なリンクに対する手動対策の通知を大量に送り始め、同年10月にはリンク否認ツールを公開します。「リンクを外す」「否認する」「再審査リクエストを出す」という、それまで存在しなかった作業が生まれました。

過去に買ったリンクを剥がして回る仕事が発生したわけで、当時の担当者にはなかなかしんどい数年だったはずです。

この時期のその他の動き

  • 2011年11月 Freshness Update:鮮度が重要なクエリで新しい情報を優遇。全体の約35%に影響
  • 2012年1月 Page Layout:ファーストビューが広告だらけのページを減点
  • 2012年9月 EMD Update:キーワードそのままのドメイン名で上位を取る手法を封じる
  • 2014年8月 HTTPSのシグナル化:常時SSLが議論され始める
  • 2015年4月21日 モバイルフレンドリーアップデート:スマホ対応の有無がモバイル検索の順位に影響。事前告知されたため「Mobilegeddon」などと騒がれた

SERPはどう変わったか

一番はっきりしたのは、キーワードだけ合っていて中身のないページが消えたことです。「◯◯ 比較」で検索して、商品名が並んでいるだけのページが上位に出る、という光景は減りました。代わりに上がってきたのは、もともとそのジャンルで運営実績のあるサイトです。

この入れ替わりは、第3期でも第4期でも繰り返されます。

この時代を一文で言うと

ページ数とリンク本数という、数えられるもので勝負がついた時代の終わりでした。ここから先、Googleは数えにくいものを見ようとし始めます。

→ 詳しくはパンダアップデートペンギンとリンクスパムの系譜で解説しています。

第3期 2016–2019|信頼が問われ始めた4年間

日本のSEOにとって、この4年は少し特別です。Googleが日本語検索だけを狙ったアップデートを、この時期に2回打っている。世界の年表にはまず載らない2件ですが、そこで起きたことは1年後、世界に広がりました。

キュレーションメディアという発明

2015年ごろ、検索流入をいちばん安く手に入れる方法がありました。キュレーションメディアです。

やり方はこうです。テーマを決める。既存の記事を集める。クラウドソーシングで募った書き手に安く書き直させる。あとは量産する。取材はしない。専門家にも当たらない。

上位さえ取れれば広告収益が回る。第2期でGoogleが潰したはずの構造が、体裁を変えて戻ってきていました。

破綻したのは2016年11月です。DeNAが運営していた医療情報サイト「WELQ」で、医学的根拠の乏しい記事や他サイトからの無断転用が次々に指摘され、サイトは非公開に。同社の他メディアも順次停止し、12月には記者会見が開かれました。SEOの話が一般ニュースになるという、日本では珍しい事態です。

ただ、SEOの視点で見たときの問題はもっと単純でした。その記事が、検索で上位に出ていた。健康に関わる情報の信頼性を、当時のGoogleは判定できていなかったわけです。

Googleが日本語検索だけを狙った

1発目は2017年2月3日。Googleは公式ブログで「日本語検索の品質向上にむけて」を公開しました。ウェブサイトの品質評価方法を改善し、ユーザーの役に立つことより検索順位を上げることに主眼を置いたサイトの順位を下げる。そして「オリジナルで有用なコンテンツ」を持つサイトを上げる、という内容です。

対象は日本語検索だけ。他所のコンテンツをつぎはぎしたページ、検索エンジン向けに体裁を整えただけのページが名指しされました。

ところが、これがあまり効きませんでした。狙われたはずのサイトの多くは順位を保ち、医療・健康分野の検索結果は不安定なままでした。

2発目は同じ年の12月6日。「医療や健康に関連する検索結果の改善について」が出ます。医療従事者や専門家、医療機関が提供するような、信頼性が高く有益な情報を上位に出す、と。

このとき目を引くのは、Googleが「医療・健康に関連する検索のおよそ60%に影響する」と数字を出したことです。影響範囲を数値で明示するのはGoogleとしてかなり異例で、それだけ手応えがあったのだろうと思います。

実際に落ちたのは医療系の口コミサイト、健康食品の通販・ランキングサイト、個人運営の健康ブログ。上がったのは病院、大学、公的機関でした。

【業界記録】 日本語圏ではこの更新を「健康アップデート」「医療アップデート」と呼びますが、どちらもGoogleの正式名称ではありません。

1年後、世界で同じことが起きた

2018年8月1日、グローバルなコアアップデート。のちに「Medic」の通称で呼ばれるものです。

このとき最も大きく動いたのが、やはり医療・健康分野でした。ここからSEOの世界では、YMYL(人の健康や財産に重大な影響を与えうる領域)とE-A-T(専門性・権威性・信頼性)という言葉が急速に共通語になっていきます。

ここは線を引いておきます。Googleが「日本での対応を世界に広げた」と述べたことは、一度もありません。因果を断定する材料はないので、断定しません。

それでも、事実として並べればこうなります。日本語検索で2017年に起きたことと、世界で2018年に起きたことは、同じ方向を向いていた。日本のSEO担当者は「誰が書いたかが問われる検索」を、世界より1年早く経験していた。

→ 詳しくは日本語検索限定アップデートの全記録E-E-A-TとYMYLの正体で解説しています。

裏側で進んでいた、別系統の変化

  • 2016年11月〜2018年3月 モバイルファーストインデックス:評価の基準がPCページからモバイルページへ。「PCサイトさえ作っておけばいい」が終わる
  • 2018年7月9日 Speed Update:表示速度がモバイル検索のランキング要素に
  • 2019年10月25日 BERT:英語検索の約10%に影響。単語の一致ではなく、前置詞や語順まで含めた文意の解釈へ

もうひとつ、静かだけれど大きい変化がありました。2016年9月23日のPenguin 4.0です。リンクスパム対策がリアルタイム化し、コアアルゴリズムに統合されました。これ以降、Penguinという名前の単独アップデートは一度も行われていません。ひとつの系統が、ここで終わっています。

SERPはどう変わったか

医療・健康クエリでは、公的機関と医療機関が上位を占めるようになりました。アフィリエイト目的のランキングサイトは後退。2019年6月4日のSite Diversity Updateで同一ドメインの表示が原則2件までに制限され、1つのサイトが検索結果を埋め尽くす光景も消えました。

要するに、上位にいるサイトの顔ぶれが入れ替わったわけです。テクニックで上がってきたサイトが下がり、その分野で実績のある組織が上がる。

この時代を一文で言うと

検索エンジンが「何が書かれているか」だけでなく「誰が書いたか」を見に来た4年間でした。そしてその最初の実験場が、日本語検索だったのです。

第4期 2020–2023|量産をどう止めるか

全114件のうち35件が、この4年に集中しています。3割です。Googleが打つ手の数が、明らかに増えました。

今度はレビューが儲かっていた

2020年前後に効率がよかったのは、商品レビューです。

商品名と「レビュー」「口コミ」「おすすめ」を組み合わせたキーワードは、購入直前の人が検索します。つまり成約率が高い。しかも記事は、実際に商品を買わなくても書けてしまいます。メーカーの商品ページと他所のレビューを読んで、それらしくまとめればいい。

ランキング形式なら、なお都合がいい。「◯◯ おすすめ10選」と並べておけば、どの商品のアフィリエイトリンクを踏まれても収益になります。

そして2022年11月、ChatGPTが公開されます。それまで人力でやっていた量産が、桁違いのスピードでできるようになりました。

Googleの手当ては三方向から来た

この時期のアップデートは、系統ごとに整理すると分かりやすくなります。

レビューの品質。2021年4月のProduct Reviews Updateから始まり、2023年11月まで計8回。実際に商品を使った経験、独自の測定、他製品との比較といった、買わないと書けない要素が評価されるようになりました。2023年4月には対象が商品以外のレビューにも広がっています。

コンテンツの有用性。2022年8月のHelpful Content Updateです。個別のページではなくサイト全体を見て、検索エンジン向けに作られたコンテンツの割合が高いサイトの評価を下げる、という仕組みでした。これは考え方としてかなり新しい。1本の記事が良くても、周りが量産記事だらけなら足を引っ張られます。

リンクスパム。2022年12月のリンクスパムアップデートでは、SpamBrainという機械学習システムを使って不自然なリンクを無効化する方式が採られました。ペナルティを与えるのではなく、リンクをなかったことにする。第2期の手動対策とは考え方が違います。

2023年9月、Googleは反発を受けた

この時期でいちばん揉めたのが、2023年9月のHelpful Content Updateです。

実際に大きく順位を落としたのは、大手メディアではなく個人ブログや小規模サイトでした。趣味で書いていたレシピブログ、体験に基づくレビューサイト、専門的だが規模の小さいメディア。「役に立つコンテンツを評価する」はずのアップデートで、人間が手で書いていたサイトが消えたという指摘が相次ぎ、業界からの批判はかなり強いものになりました。

Googleは翌2024年8月のコアアップデートで、こうしたサイトの一部を回復させる意図があったと説明しています。ただ、戻らなかったサイトも多い。

SERPはどう変わったか

この時期に目立ったのが、掲示板やQ&Aサイトなど、実際の人間が書き込んだ場所の存在感が増したことです。検索結果に大型のUGCサイトが並ぶ場面が増えました。

ここは業界の観測であって、Googleが「そうしました」と述べたわけではありません。ただ、量産コンテンツへの対策を続けた結果として、人が書いた痕跡のある場所が相対的に浮上した、という説明は一定の説得力があります。

この時代を一文で言うと

Googleが「量産」そのものと戦った4年間でした。そして、その線引きの難しさが露呈した4年間でもあります。

→ 詳しくはHelpful Content Update完全史レビューアップデートの変遷で解説しています。

第5期 2024–2026|アップデートが名前を失っていく

直近3年で起きているのは、それまでとは質の違う変化です。

45日間のコアアップデート

2024年3月5日に始まったコアアップデートは、完了まで45日かかりました。観測史上最長です。

長引いた理由は、中身が一つではなかったからです。Googleはこのアップデートで、Helpful Content Updateをコアアルゴリズムに統合しました。独立した名前を持つアップデートが一つ消えたことになります。同時に「大規模なコンテンツの不正使用」「サイトの評判の不正使用」「期限切れドメインの不正使用」という3つのスパムポリシーが新設されました。

2つ目の「サイトの評判の不正使用」が、日本で言うところの寄生SEOです。権威のあるドメインの一角を借りて、無関係なアフィリエイト記事を置く手法。大手メディアのサブディレクトリにクレジットカードや脱毛の比較記事が並ぶ、あの現象です。2024年5月から手動対策が始まりました。

同じ月に、検索結果の形が変わった

2024年5月14日、AI Overviewsが米国で一般提供されます。検索結果の最上部に、AIが生成した回答が表示されるようになりました。

これはランキングの変更ではありません。検索結果というページの構造そのものが変わったという点で、これまでのアップデートとは種類が違います。

そして2026年、変動が止まらない

直近2年の記録を並べると、間隔の短さが目につきます。

  • 2024年11月・12月にコアアップデートが2回。2件目は前回完了から約1週間後
  • 2025年8月のスパムアップデートは26日間。スパム対策としては異例の長さ
  • 2026年2月、史上初のDiscover単独アップデート
  • 2026年3月、スパムアップデート(19時間30分)の3日後にコアアップデート(12日間)
  • 2026年5月、さらに大きなコアアップデート

とくに2026年3月のように、種類の違うアップデートが連続すると、原因の切り分けができません。順位が落ちたとして、それがスパム判定なのかコアの再評価なのか、サイト側からは区別しようがない。これは実務上かなり厄介な変化です。

この時代を一文で言うと

個別の名前を持ったアップデートがコアに吸収され、代わりに検索結果そのものの形が変わり始めた時代です。「◯◯アップデート対策」という考え方が、そろそろ通用しなくなりつつあります。

→ 詳しくはコアアップデート個別史 2018–2026寄生SEOとサイトの評判の不正使用AI Overviewsが変えたSERPで解説しています。

5つの系統で整理する

時系列で追うと、どうしても情報が横に散らばります。ここでは同じ系統のアップデートを縦につないで、それぞれの現在地を確認します。

系統1:コアアップデート

検索アルゴリズム全体の見直し。2017年3月から名前付きで実施され、現在まで26回。年2〜4回のペースが続いています。

現在地:継続中。むしろ他の系統を吸収して肥大化しています。2024年3月にHelpful Content Updateを取り込んだのが決定的で、いまや「コアアップデート」は複数の仕組みの更新をまとめた呼び名になりました。

コアアップデート個別史 2018–2026

系統2:スパム・リンク

Jagger(2005)→ Penguin(2012)→ Link Spam Update(2021)→ SpamBrain(2022)→ サイトの評判の不正使用(2024)。手口が変わるたびに形を変えてきた系統です。

現在地:Penguinという名前は2016年に終わりました。リアルタイム化してコアに統合されたためです。現在は「スパムアップデート」という総称で年1〜2回実施されています。

ペンギンとリンクスパムの系譜スパムアップデートの歴史寄生SEOとサイトの評判の不正使用

系統3:コンテンツ品質

Panda(2011)→ 日本語検索の品質向上(2017)→ Medic以降のE-A-T(2018)→ Helpful Content Update(2022)→ コアへ統合(2024)。

現在地:独立した名前はすべて消えました。Pandaは2016年頃にコアへ、Helpful Content Updateは2024年3月にコアへ。レビュー系のアップデートも2023年11月を最後に、名前を付けた更新が行われていません。

パンダアップデートHelpful Content Update完全史E-E-A-TとYMYLの正体日本語検索限定アップデートの全記録レビューアップデートの変遷

系統4:技術・UX

HTTPS(2014)→ モバイルフレンドリー(2015)→ モバイルファーストインデックス(2016–2018)→ Speed Update(2018)→ Page Experience/Core Web Vitals(2021–2022)。

現在地:新規のアップデートは2022年で止まっています。ただし指標そのものは更新されていて、2024年3月にFIDがINPへ置き換わりました。技術要件は「アップデート」ではなく「仕様変更」として通知される形に移行しています。

モバイル対応の歴史Core Web Vitalsの全て

系統5:検索理解・体験

ユニバーサル検索(2007)→ Hummingbird(2013)→ RankBrain(2015)→ BERT(2019)→ MUM(2021)→ AI Overviews(2024)→ AI Mode(2025)→ Discover単独更新(2026)。

現在地:ここだけが加速しています。他の4系統がコアに統合されて名前を失っていくなか、この系統は新しい名前が増え続けています。

検索の意味理解史AI Overviewsが変えたSERP

単独更新が終わった系統が、3つある

ここが実務的にいちばん重要な点です。

  • Penguin:2016年9月にコアへ統合
  • レビュー系:2023年11月を最後に継続処理へ移行
  • Helpful Content:2024年3月にコアへ統合

これが意味するのは、「次のペンギンアップデートを待つ」「次のHCUで回復する」という考え方が、もう成立しないということです。以前はアップデートのタイミングで一気に再評価されたので、対策して次を待つ、という戦い方ができました。いまは継続的に評価が更新されるので、直したぶんは少しずつ反映されます。

裏を返せば、落ちたときも「次のアップデートまで待てば戻る」とは限りません。

よくある誤解5つ

アップデートの話には、繰り返し出てくる誤解があります。どれも、間違えたまま行動すると損をするものです。

誤解1:コアアップデートはペナルティである

違います。コアアップデートは検索結果全体を評価し直す作業で、特定のサイトを罰するものではありません。

順位が下がったとき、あなたのサイトの評価が下がったのではなく、他のサイトの評価が上がった結果として相対的に押し出された、というケースがかなりあります。Google自身も、コアアップデートによる下落は必ずしもページに問題があることを意味しない、と説明しています。

本当のペナルティは「手動による対策」です。これはSearch Consoleに通知が届くので、届いていないなら手動対策は受けていません。

誤解2:順位が落ちた=コンテンツの品質が低い

これも直結しません。

検索意図の解釈が変わった、競合が増えた、そのクエリで求められる情報の種類が変わった。下落の理由はいくらでもあります。「品質が低いと判定された」と決めつけて記事を書き直すと、もともと評価されていた部分まで壊すことがあります。

まずどのページの、どのクエリが落ちたのかを特定してください。話はそれからです。

誤解3:ツールが反応したらアップデートである

第1章でも触れましたが、大事なので繰り返します。順位変動チェックツールが検知するのは変動という結果であって、Googleが何かを変えた証拠ではありません。

Googleが公表していない変動には名前を付けないほうがいい。名前が付くと、実体があるように見えてしまうからです。

誤解4:変動に気づいたらすぐ直すべき

逆です。ロールアウト中は何もしないのが正解です。

コアアップデートは完了まで平均2週間前後、長いときは45日かかります。その間、順位は上下に揺れ続けます。途中の順位を見て慌てて修正すると、何が原因で何が効いたのか分からなくなります。

完了してから数日待って、それでも戻らないなら動く。この順番です。

誤解5:AIで書いた記事はGoogleに禁止されている

禁止されていません。Googleが問題視しているのは作り方ではなく、目的と結果です。

スパムポリシーで定義されているのは「大規模なコンテンツの不正使用」、つまり検索順位を操作する目的で価値のないページを大量生成する行為です。生成AIを使ったかどうかは判定基準になっていません。人間がライターを大量動員して同じことをすれば、同じく対象になります。

ただし現実には、AIで量産されたページの多くが「価値のないページの大量生成」に該当してしまう。ツールの問題ではなく、使い方の問題です。

変動が起きたときの実務手順

ここまでの内容を、実際の作業手順に落とします。順番どおりにやってください。飛ばすと遠回りになります。

STEP 0 まず、何もしない

いちばん重要な工程です。

アップデートのロールアウト中にサイトを触ると、原因と結果の対応が取れなくなります。順位が戻ったのが自分の修正のおかげなのか、ロールアウトの揺り戻しなのか、永久に分からない。

Search Status Dashboardでロールアウトが完了しているかを確認し、完了していないなら待ちます。

STEP 1 変動の開始日を特定する

Search Consoleの検索パフォーマンスを開き、期間を「過去3か月」にして日別の推移を見ます。落ち始めた日を1日単位で特定してください。

ここでクリック数ではなく表示回数と平均掲載順位を見るのがコツです。クリック数は季節要因でも動きますが、掲載順位が落ちているならランキングの問題です。

STEP 2 アップデートの期間と照合する

特定した日が、確定アップデートの期間と重なるかを確認します。

ここで注意が必要なのが、複数のアップデートが重なっている期間です。過去には何度も起きています。

  • 2023年10月:スパムアップデート(10/4開始)とコアアップデート(10/5開始)が並走
  • 2024年12月:コアアップデート完了の約1週間後にスパムアップデート
  • 2026年3月:スパムアップデート(3/24)の3日後にコアアップデート(3/27)

こういう期間に落ちた場合、原因を一つに特定するのは諦めたほうがいいです。両方の可能性を前提に、できることから手をつけます。

STEP 3 落ちた範囲を切り分ける

ここで方向性が決まります。

落ち方疑うべきこと
サイト全体が均等に落ちたコアアップデート、またはサイト単位の評価変更
特定のカテゴリだけ落ちたそのジャンルの検索意図の変化、専門性の評価
特定のページだけ落ちたそのページ固有の問題、または競合の入れ替わり
特定のクエリだけ落ちたSERPの構成変更(AI Overviews、強調スニペットなど)
急激にゼロ近くまで落ちた手動対策、インデックス削除、技術的な事故

STEP 4 アルゴリズム以外の可能性を潰す

意外と多いのがこれです。アップデートのせいだと思い込んで数週間調べた結果、原因が自分たちの変更だった、というケース。

  • Search Consoleの「手動による対策」に通知が来ていないか
  • 該当期間にサイトのリニューアル、URL変更、テーマ更新をしていないか
  • robots.txt、noindex、canonicalの設定が変わっていないか
  • サーバー障害や表示速度の悪化が起きていないか
  • SERP上でAI Overviewsが出るようになっていないか(順位はそのままでもクリックは減ります)

STEP 5 待つ期間を決める

コアアップデートによる下落の場合、Googleは次のコアアップデートまで回復しないことがあると説明しています。つまり数か月単位です。

その間にやるべきは、小手先の修正ではなくコンテンツそのものの見直しです。ただし一度に大量に変更しない。何が効いたのか分からなくなります。

やってはいけないこと

  • ロールアウト中に修正する
  • 原因が分からないまま記事を大量にリライトする
  • 順位が落ちたページを慌てて削除する(戻る可能性を自分で潰します)
  • 未確認の変動に対応する
  • 「◯◯アップデート対策」と称する施策に飛びつく

→ 各ステップの詳細な進め方は順位変動時の調査・回復マニュアルにまとめています。

これから

最後に、現時点で確認できることだけを整理します。予測は書きません。この記事の性格上、根拠のない見通しを混ぜると全体の信頼性が落ちるからです。

確認できていること

発表の形式は変わっていません。AI Overviewsが登場したあとも、Googleはコアアップデートとスパムアップデートを従来どおりSearch Status Dashboardで告知しています。2026年6月のスパムアップデートも同じ形式でした。

個別の名前は減り続けています。Penguin、Panda、Helpful Content、レビュー系。かつて独立した名前を持っていたアップデートは、順にコアへ吸収されました。現在も名前付きで実施されているのは、コアとスパムの2系統だけです。

対象領域は広がっています。2026年2月、Googleは初めてDiscoverだけを対象にしたアップデートを実施しました。ウェブ検索以外の面が単独で更新された、最初の記録です。

変動幅は大きくなっています。2025年12月、2026年3月、2026年5月と、SERP計測ツールが記録的な数値を出す更新が続いています。ただしこれは第三者の観測であって、Googleが「変動幅を大きくした」と述べたわけではありません。

分かっていないこと

AI Overviewsの表示ロジックが、通常のランキングとどこまで共通なのか。AI検索経由の流入をどう計測すべきなのか。この2点について、Googleは体系的な説明をしていません。

「AI検索時代のSEO」を語る記事は無数にありますが、一次情報に基づいて断言できる範囲は、実のところまだかなり狭い。

この記事の更新について

本記事は、Googleが新しいアップデートを公表した時点で追記します。Search Status Dashboardを月1回確認し、確定情報のみを反映する運用です。

未確認の変動については、業界で話題になっていても本表には追加しません。確定した時点で初めて記録します。

用語集

この記事に出てきた用語をまとめます。SEOの現場で意味がずれて使われがちなものを中心に選びました。

コアアップデート

検索アルゴリズム全体に対する大規模な見直し。年2〜4回。特定のサイトを狙うものではなく、検索結果全体を評価し直す作業です。ペナルティではありません。

スパムアップデート

Googleのスパムポリシーに違反しているサイトを検出・降格させる更新。コアアップデートとは目的が別で、両者が同時期に走ることもあります。

ロールアウト

アップデートが順次適用されていく過程。コアアップデートは平均2週間前後、最長で45日かかった例があります。この期間中の順位は安定しません。

ボラティリティ(変動幅)

検索順位がどれだけ激しく入れ替わったかを示す指標。SEOツール各社が独自に計測しているもので、Googleが公表している数値ではありません。

YMYL

Your Money or Your Life の略。健康、医療、金融、法律など、人の生活や財産に重大な影響を与えうる領域を指します。この領域では情報の正確性がより厳しく評価されます。

E-E-A-T

Experience(経験)、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trustworthiness(信頼性)。検索品質評価ガイドラインで使われる評価の枠組みです。2022年にExperienceが追加されてE-A-TからE-E-A-Tになりました。ランキング要素そのものではありません。Googleが目指す方向を人間の評価者に伝えるための概念です。

手動による対策

Googleの担当者が人手で行うペナルティ。アルゴリズムによる評価変更とは別物で、適用されるとSearch Consoleに通知が届きます。通知が来ていないなら、手動対策は受けていません。

SERP

Search Engine Results Page。検索結果ページのこと。近年は広告、強調スニペット、AI Overviews、動画枠などが増え、10本のリンクが並ぶだけのページではなくなっています。

未確認アップデート

SEOツールが変動を検知したものの、Googleが公表していないもの。業界で呼び名が付くこともありますが、実体があるとは限りません。

Search Status Dashboard

Googleが検索の障害情報とランキングアップデートを公開しているページ。2021年11月以降のアップデートは、ここで開始日と所要時間を確認できます。アップデートの有無を判断する唯一の確定情報源です。

よくある質問

Googleのアップデートは年に何回ありますか?

名前が付いて公表されるものは、近年で年4〜6回程度です。2025年は4件、2026年は7月時点で5件が公表されています。ただしGoogleは公表しない小規模な変更を年間数千回行っていると説明しており、名前の付くアップデートはごく一部です。

アップデートの影響を受けたかどうか、どう確認しますか?

Search Consoleの検索パフォーマンスで順位が落ち始めた日を特定し、その日がGoogle Search Status Dashboardに記載されたロールアウト期間と重なるかを確認します。重なっていなければ、別の原因を疑ってください。

コアアップデートで順位が落ちたら、何をすればいいですか?

ロールアウトが完了するまでは何もしないのが正解です。完了後も順位が戻らない場合、コンテンツそのものを見直します。ただし一度に大量の変更を加えると、何が効いたか分からなくなります。

日本語検索だけを対象にしたアップデートはありますか?

2件あります。2017年2月3日の「日本語検索の品質向上にむけて」と、同年12月6日の「医療や健康に関連する検索結果の改善について」です。どちらもGoogle公式ブログで発表されています。

AIで書いた記事は順位が下がりますか?

AIを使ったこと自体は問題視されていません。Googleのスパムポリシーが対象としているのは、検索順位を操作する目的で価値のないページを大量生成する行為で、その手段が生成AIか人力かは区別されていません。

ペンギンアップデートやパンダアップデートは今もありますか?

単独のアップデートとしては実施されていません。Penguinは2016年9月にコアアルゴリズムへ統合され、Pandaも同様にコアへ取り込まれました。現在これらの評価は継続的に更新されています。

参照した情報源

本記事は以下を参照して作成しています。日付と期間はGoogleの公式記録を優先し、公式記録がない項目は業界の記録に基づくものとして本文中に明示しました。

Google公式(一次情報)

国内のSEO情報源

海外のSEO情報源

上記URLは2026年7月28日に確認しています。

情報源としての性格の違い

執筆や調査の際に混同しないよう、整理しておきます。

  • Search Status Dashboard:いつ始まっていつ終わったかの記録。内容の説明はほとんどありません
  • Search Central ブログ:Googleの意図が書かれています。背景を知りたいときはここ
  • Search Engine Roundtable:速報性が最も高く、Googleが認めていない変動も追っています。確定情報ではない点に注意
  • Search Engine Land / Search Engine Journal:後から振り返ってまとめた記録。通史の照合に向きます
  • Similarweb / Sistrix / namaz.jp:変動幅の実測。Googleの発表とは独立した観測です

海外と国内の両方を挙げているのは、日本語検索の挙動が海外と一致しないことがあるためです。海外メディアが「影響は軽微」と報じたアップデートで、日本語検索では大きく動いた例もあります。

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