2025年2月27日に公開されたGoogle検索オフィスアワーの内容を、質問ごとに整理しました。質問は10件、収録は22分ほどです。司会は小川安奈さん。
いつもより1週間早く収録したため、この回はお知らせのコーナーがありません。冒頭からQ&Aに入る構成になっています。
内容としては技術寄りの質問が多く、AJAXで読み込むコンテンツがクロールされない理由や、URL末尾のスラッシュ、robots.txtの大文字小文字といった実装の話が並びました。中にはWiiのゲームについての質問もあり、Googleの中の人が困惑する場面もあります。
先に:いま読むときの注意点
回答の内容は現在もそのまま通用します。この回で予告された「次回は3月27日」は予定通り実施されました。
取り上げられた質問
1. メタディスクリプションはページごとに固有であるべきか
質問の要旨:Google検索セントラルには「メインのホームページや他の総合ページにはサイトの説明を使用し、その他の部分では各ページの説明を使用します」とある。descriptionはページごとに固有の情報にすべきだが、ホームページと他の総合ページなど一定の条件では同一のディスクリプションを使用しても問題ないということか。また問題ない場合、日時別の記事一覧ページもサイトの説明を使用してよい「他の総合ページ」にあたるのか、それとも固有のものを設定すべきか。
Googleの回答:全体的な話をすると、まずメタディスクリプションは一意である必要はない。公式ドキュメント「検索結果のスニペットを管理する」に説明がある通りである。サイト上のページごとに固有の説明を作成することは推奨されるが、すべてのページに個別の説明を作成する余裕がない場合は、コンテンツに優先順位をつけて、少なくともホームページや人気のページのような重要なURLに対して説明を作成するのがよい。質の高い説明を記述するためのTipsも具体的なケースとともにドキュメントに記載されている。ちなみにサイトはメタディスクリプションを空のままにすることもできる。
補足:最後の一文がこの回答の本音に近いところでしょう。空でも構わない、と明言しています。
この立場は2025年4月24日の回でさらに踏み込んだ形で語られます。そちらでは「基本的にページに良いテキストがないときぐらいしかメタディスクリプションは使わない」「人によっては気にしなくてよいと言っているくらい」という説明が出てきます。
2回分を合わせると方針は明確です。全ページに固有のdescriptionを用意する作業に工数を割く必要はなく、重要なページだけ書けばよい。そして書いたところで使われるとは限らない、ということになります。
該当箇所:1:40
2. URL検査のスクリーンショットが背景色だけになる
質問の要旨:Search ConsoleのURL検査ツールで、HTMLは通常通り取得されている一方、スクリーンショットにはページの背景色のみが表示されコンテンツが確認できない。SPAでサイトを構築しており、この状況が継続的に発生している。問題であると認識し、スクリーンショットでもコンテンツが確認できるよう解決策を検討しているが、この方向性で問題ないか。
Googleの回答:具体的なサイト情報が添えられていたため事象を確認できた。認識の通り、今回のようなケースでは修正が必要である。たとえばテストツールを使用すると500エラーが返され、設定に問題があるように感じた。ちなみに海外からアクセスした場合、「このサービスはお住まいの地域からはご利用になれません」というメッセージとともにページへリダイレクトされた。こういうことは誤ってGooglebotをブロックしてしまう可能性もあるため、一般的にあまり良い習慣とは言えない。設定を見直してみるのがよい。
補足:質問はSPAのレンダリングについてでしたが、原因として指摘されたのは地域制限でした。日本国内向けのサービスで海外からのアクセスを弾く設定は珍しくありませんが、Googlebotのクロールは主に国外から行われるため、そのままGooglebotを締め出すことになります。
同じ話は2025年12月18日の回でも出ていて、そちらでは「CDNやファイアウォールに、自分で設定した覚えのないルールがないか確認してほしい」という形で語られています。レンダリングの問題を疑う前に、そもそもGooglebotがアクセスできているかを確認する。順序としてはそちらが先です。
該当箇所:3:46
3. AJAXで読み込むコンテンツがHTMLに含まれない
質問の要旨:AJAXの非同期処理で呼び出している箇所のコンテンツを、Googleのクローラーがクロールしてくれているか知りたい。URL検査からクロール済みのページを表示してHTMLを確認すると、非同期処理の箇所の要素が抜けているので、クロールされていないのではないかと考えている。
Googleの回答:具体的なサイト情報が添えられていたため事象を確認できた。回答としては、Googleではレンダリングにもajaxを使用しており、むしろ非常によく使用されている。ただし今回のケースでは、ページの一部が非常にゆっくりと読み込まれているため、システムがページの読み込みは完了したと判断していると考えられる。ページの高速化を検討してほしい。
補足:この回で最も実務的な回答です。 AJAXがクロールされないのではなく、読み込みが遅すぎて待ってもらえていない。原因と対策がまったく変わります。
質問者はクローラーの仕様を疑っていましたが、実際は自サイトのパフォーマンスの問題でした。同様の症状が出ている場合、JavaScript対応の可否を調べる前に、その部分の読み込み時間を測るほうが早いということになります。
関連して2024年6月27日の回でも非同期コンテンツの質問が出ています。そちらではrobots.txtでDisallowするとソフト404になるかという問いでしたが、回答は「URL検査ツールで実際の見え方を確認せよ」でした。今回の回答は、その確認で欠けが見つかったときに何を疑えばよいかを補完する内容になっています。
該当箇所:5:30
4. トップページのインデックス登録が不安定
質問の要旨:サイトトップがインデックス登録されない。ライブテストの結果はレンダリングされているが、インデックス登録が不安定である。いずれも基本的にはサーバーサイドレンダリング(SSR)でサイトを構築している。
Googleの回答:具体的なサイト情報が添えられていたため状況を確認できた。今回は2つのサイトが提示されていたが、1つ目は検索結果に表示されておりインデックス登録されているように感じた。もう一方については、「お手数ですがしばらく経ってからもう一度お試しください」というメッセージが出ており、ソフト404が生じているようだった。何かサービスが不安定な時期があったのかもしれない。社内のエンジニアやサイトを構築しているメンバーに確認するとよい。
補足:一時的なエラーページを返していると、Googleからはソフト404として扱われます。ユーザー向けには親切なメッセージのつもりでも、クローラーには中身のないページに見える。負荷時やメンテナンス時にどんなレスポンスを返しているかは、確認しておく価値があります。
該当箇所:6:48
5. 身に覚えのないリダイレクトが記録されている
質問の要旨:Search ConsoleでWordPressの投稿ページがいくつか「ページにリダイレクトがあります」としてインデックスに登録されていないとなっているが、ページ登録済みのところで確認するとそのページはインデックス登録されていた。HTTPSでも正常に配信されているようで、特定のキーワードで検索するとリダイレクトによりインデックスされていないはずのページが検索結果に表示されている。
Googleの回答:具体的なサイト情報が添えられていたため状況を確認できた。問題視されているページには、URLの末尾にスラッシュがあるバージョンとないバージョンの2つが存在し、ないバージョンからあるバージョンへリダイレクトがかかっている状況だった。こうした設定は、使用しているプラットフォームやテンプレートの仕様かもしれない。一般的には、末尾のスラッシュの有無によってこれらがそれぞれ別のURLであることを認識しておく必要がある。人の目には同じようなURLに見えるが、技術的には異なるものなので、別々にリストされるのはごく普通のことである。実際このままにしておいても特段問題はない。URL検査ツールを使えばURLが見つかった場所を確認でき、自分のサイト内にあるならそのリンクを修正することもできる。重要というわけではないが、レポート内が少しすっきりするという点はあるので、修正したいなら確認しながら進めるとよい。
補足:「ページにリダイレクトがあります」という表示に不安を覚える人は多いのですが、多くの場合は正常な状態です。末尾スラッシュの有無で2つのURLが認識され、片方から片方へリダイレクトされている。それが記録されているだけです。
対応するかどうかは、レポートの見やすさの問題として判断すればよいという整理になります。
該当箇所:8:08
6. Wiiの検索ゲームの続編は出るのか
質問の要旨:Google検索のゲーム、Wii専用ソフト「安藤ケンサク」の発売から間もなく15周年を迎える。15周年の節目にリメイクや続編の制作予定はあるか。また安藤ケンサクでなくとも、検索をより親しみやすくする取り組みは今後あるか。
Googleの回答:このゲームについてはここで初めて知った。事実確認のため検索チームの在籍が長いメンバーやエンジニアのチームにも確認したが、彼らにとっても初めて知ったという人が結構いた。そういう意味で大変学びになった。本題としては、ゲームのページを確認したが、これはGoogleが直接提供しているゲームではないのでコメントする立場にない、というのが事実に近い回答になる。
とはいえ、どうすれば検索をより親しみやすく感じてもらえるかはチームでも考えており、たとえば従来の文字ばかりのドキュメントに加えて分かりやすい漫画コンテンツを作成してはどうか、という取り組みを日本発信で進めた経緯がある。公式ドキュメント「Googleの検索エンジンの仕組み」の中にそうした漫画コンテンツを掲載している。検索に馴染みのない人でも、検索チームがどういう点を気にしているのか、どんな仕事をしているのかといった背景を見てもらえるのではないかと思って作成した。他に流行りのフォーマットがあれば、ハッシュタグで気軽に連絡してほしい。
補足:異色の質問ですが、回答の後半に情報があります。Google検索の仕組みを解説する漫画コンテンツが、日本発の企画として公式ドキュメントに入っているという話です。
公式ドキュメントというと英語で書かれたものを翻訳している印象がありますが、日本チーム発の企画が本体に反映されることもある。フィードバックの届き方を知るうえで参考になります。
該当箇所:10:58
7. 年齢確認ページに構造化データを追加すべきか
質問の要旨:リッチリザルトテストで年齢認証のあるページのURLを入力すると「アイテムが検出されませんでした」という結果になる。おそらく構造化データのない年齢認証ページが間に挟まり、そのページがチェックされるためだと思われる。この年齢認証ページに構造化データを追加すべきか。
Googleの回答:この件については公式ドキュメント「Googlebotが年齢確認なしでクロールできるようにする」にガイダンスがある。基本的に、Googlebotは年齢確認をトリガーすることなくコンテンツをクロールできるようにする必要があると書かれているので、そちらを読んでほしい。
補足:質問の前提をひっくり返した回答です。年齢確認ページに構造化データを足すのではなく、そもそもGooglebotに年齢確認を挟まない設計にするのが正しい方向になります。
年齢確認が挟まっている限り、Googleが見ているのは年齢確認ページであって本体のコンテンツではありません。構造化データを追加しても、本来インデックスさせたいページの内容は伝わらないままです。
該当箇所:14:09
8. サブドメイン間で内容が似た記事は共倒れするか
質問の要旨:ECサイトをいくつかのサブドメインで運用しており、サブドメイン間で事業が重複している場合がある。事業が重複しているため記事コンテンツも似通ったものになる。あるクエリで一方のドメインの記事は検索1ページ目にヒットするが、もう一方はなかなかヒットしない。上位を狙いたいキーワードに対応した記事がそれぞれある場合、一方のサブドメインの記事が上位を取ると、もう一方は上位を取りづらくなるということはあるか。
Googleの回答:具体的なサイト情報が添えられていたため状況を確認できた。まずこれらのサイトは本質的には別々のサイトなので順位は異なる。一方で、本質的に同じコンテンツを同じ検索結果に何度も表示するのは意味がないのではないかと考えている。そのため、やっていることの価値をあちこちに散らして薄めていくのではなく、その価値をどこで提供するのがよいのかという点に焦点を当ててみることを検討するのもよいと思う。もう一点気になった点として、今回のケースではどちらも同じページにリダイレクトされているようだった。意図的なのかどうかは判断できなかったが、そこも再度確認してもらえると、納得のいく現象になっているのかもしれない。
補足:2つのことを同時に言っています。技術的には別サイトなので順位は独立して決まる。しかし同じ内容を検索結果に2つ出す必要はない、と。
つまり「共倒れするか」への答えはノーですが、「両方上位に出せるか」への答えもノーに近い。同じ価値を2箇所に分散させている構成そのものを見直すべき、という方向に誘導されています。
該当箇所:15:22
9. 大量ページのDisallowを一気に解除して問題ないか
質問の要旨:サービスのユーザー向けにプロフィールページがあり、現在Disallowでクローラーをブロックしている。今後の施策に向けてクロールさせたいのでDisallowを解除したいが、これらのページは相当なページ数があるため、一気に解除したときに相互間のリンクが大量に増え、スパムと誤認される可能性を懸念している。少しずつ解除していく対応でリスクヘッジすることはできるか。
Googleの回答:今回のケースについてはリンクの問題ではなく、むしろクロールの問題だと思う。したがってこのような施策を段階的に実行しても特段問題にはならない。ただし後半の具体的なリスクヘッジ施策については、robots.txtは大文字と小文字を区別するという点に注意しながら実装するのがよい。
補足:スパム誤認の懸念は否定されています。大量のページを一度にクロール可能にしても、リンクの観点で問題視されることはない。
そのうえで、実装上の注意点だけが指摘されました。robots.txtのパスは大文字小文字を区別するため、段階的に解除するパターンを書く際は表記を正確に揃える必要があります。
該当箇所:17:34
10. 1月16日から表示回数が急減したのは仕様変更か
質問の要旨:最近Search Consoleで表示回数のデータに大きな変動が見られ、特に2025年1月16日頃から急激な減少が確認されている。Googleトレンドで見る検索キーワードは昨年対比を超えているが、Search Console側では平均順位もCTRも昨対を超えている一方で表示回数が昨対割れの傾向にある。この変動は検索結果の仕様変更や、順位取得ツールへのアクセスが困難になったことが影響しているのではないかと推測している。2025年1月16日前後にSearch Consoleの定義に変更があったかどうか、また変更があった場合はその要因や今後の動向についての見解を教えてほしい。
Googleの回答:Search Consoleのデータについてこちらから特に言及したいことがある場合は、グラフに注釈をつけ、データ異常ページにエントリーを追加するようにしている。もう少し一般的なことを言うと、いかなるサイトであっても、それぞれの指標に多少の変動、場合によっては大幅な変動が生じることは普通に起こりうる。その前提のうえで、いただいたサイト情報をもとに、16日のピンポイントではなくもう少し広いレンジのパフォーマンスも確認してみたところ、今回は後者、つまり通常の変動の範囲に見受けられた。
補足:Search Consoleの数値がおかしいと感じたときの確認手順が示された回答です。 Google側で告知すべき事象があれば、グラフの注釈とデータ異常ページに記載される。逆に言えば、そこに何もなければ通常の変動と考えるのが妥当ということになります。
実際に告知が出た例が2026年6月18日の回にあります。求人情報の表示回数が0になっていた件で、2026年4月16日から27日にかけてロギングエラーがあったことがデータ異常ページに記載されていました。
またもうひとつ、特定の日付をピンポイントで見るのではなく広いレンジで確認する、という分析の作法も示されています。1日単位で切り出すと異常に見えるものが、数ヶ月の推移で見ると変動の範囲に収まることは珍しくありません。
該当箇所:19:19
この回のお知らせ
この回は通常より1週間早く収録されたため、Search Centralブログに紹介できる新しい記事がなく、お知らせのコーナーは省略されました。
まとめ
技術的な誤解を正す回答が並んだ回でした。
AJAXのコンテンツが取得されないのはクローラーの仕様ではなく読み込みが遅いから。スクリーンショットが真っ白なのはSPAの問題ではなく地域制限でGooglebotが弾かれているから。「ページにリダイレクトがあります」は末尾スラッシュの話で放置してよい。Disallowの一括解除でスパム扱いされることはない。いずれも質問者が立てた仮説とは違うところに原因や答えがありました。
メタディスクリプションについての「空のままにすることもできる」という発言も、記録に残しておく価値があります。2ヶ月後の4月24日の回ではさらに率直な説明が出てくるので、合わせて読むと工数配分の判断がしやすくなります。


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