2025年6月26日に公開されたGoogle検索オフィスアワーの内容を、質問ごとに整理しました。質問は6件、収録は18分ほどです。司会は小川安奈さん。
この回はお知らせのほうが重い内容でした。使用頻度の低い構造化データ機能7種類のサポートが段階的に終了することが発表されています。質問側では、「クロール済み – インデックス未登録」への回答が、これまでとは違う角度から説明されている点が注目に値します。
先に:いま読むときの注意点
ここで告知された構造化データ7種類のサポート終了は、その後実施済みです。該当するマークアップを実装している場合は、現在の状況を公式ドキュメントで確認してください。
もうひとつ、この回の最後に「次回は2025年7月31日を予定」とアナウンスされていますが、実際に次の回が公開されたのは8月7日でした。この回を境に、予告と実際の公開日がずれ始めます。
| 回 | 予告された次回 | 実際の公開日 |
|---|---|---|
| 2025年5月29日 | 6月26日 | 6月26日 |
| 2025年6月26日 | 7月31日 | 8月7日 |
| 2025年8月7日 | 8月28日 | 9月25日 |
| 2025年9月25日 | 10月30日 | 12月18日 |
ズレが回を追うごとに広がっているのが分かります。この流れの先で、2026年3月5日の回に「例年通りの毎月開催が難しい」という正式なアナウンスが出ることになります。
取り上げられた質問
1. AI Overviewsと検索広告の表示順はどうなるのか
質問の要旨:AI Overviewsの表示が広まる中で、検索広告とAI Overviewsが同時に表示される場合もあると思うが、その場合はAI Overviews、Google広告の順で表示されるのか。また今後、検索広告が多いクエリにおいて、Google広告に表示されている情報やリンクがAI Overviewsに表示されることはあるのか。
Googleの回答:AI OverviewsやAIモードについてはよく聞かれるトピックの一つだが、これらはまだ新しい機能のため明確に回答することができない。このような新機能について今後の予定を保証することはとても難しく、不明瞭な回答や情報を伝えることで新たな混乱を招くことは避けたい。今回はこのような回答となることを理解してほしい。
補足:回答を控えるにあたって、その理由まで説明しています。この時期のAI検索関連の質問に対する姿勢は一貫していて、2025年8月7日の回の構造化データの質問でも、2026年6月18日の回のGEOの質問でも、公式ドキュメントに書かれている範囲を超えた発言はしていません。
該当箇所:4:56
2. リニューアル後にインデックスから外れていく
質問の要旨:4月上旬にサイトリニューアルを行った。ドメインの変更はないがディレクトリ構造は変更している。リニューアル後、該当ディレクトリ配下の記事がなかなかインデックスされず、5月22日あたりからさらにインデックスを外されるようになった。301リダイレクト、サイトマップの更新、canonicalは実施済みで内部リンクも対応している。
Googleの回答:具体的なサイトやクエリの情報が添えられていたため状況を確認できた。確認したところ、こちらの環境では該当URLは問題なくインデックス登録されており、検索結果のトップに表示されていた。時間の経過とともに解決したのかもしれないが、今回は問題なく実装されているように感じた。こうした事象はよく聞かれるが、私たちはすべてのページをインデックスしているわけではなく、システムの判断が以前と異なる場合もある。そのため他のページでインデックス登録が外れていても、それは一般的に起こりうる事象である。
補足:「すべてのページをインデックスしているわけではない」「システムの判断が以前と異なることがある」という2点が、この回のインデックス関連の回答に共通する土台になっています。一度インデックスされたことは、その状態が維持される保証ではないという話です。
該当箇所:6:24
3. 同じ社名の別会社を探す人から電話が来る
質問の要旨:自社はウェブマーケティング会社だが、過去に同一社名で家電製品を販売していた企業があり、特定のキーワードで検索された場合に販売元ではなく自社サイトが表示されるため、ユーザーからの電話が頻繁にかかってくる。その会社は評判が良くないようで、いつの間にか社名変更しているがユーザーへのアナウンスがないようで自社に連絡が来てしまう。事業内容とまったく関係ないクエリと社名の組み合わせで検索された場合に、ヒットさせない方法はあるか。
Googleの回答:この種の質問は定期的に寄せられるが、そのような検索オプションはない。以前にも述べた通り、事業を始める前により広範な市場分析を行い、ブランディングについて深く考えていく必要がある。検索だけに関わる領域ではない箇所から取り組んでいくのがよい。
補足:かなり率直な回答です。特定のクエリで自社を出さないようにする手段は用意されていない、という事実だけが答えになっています。
社名やブランド名の重複は検索側では解決できず、対処するとしたら別の会社であることをサイト上で明示する、問い合わせ導線で誘導するといった運用面の工夫に限られます。ブランド設計の段階で検索結果を見ておくことの重要性を示す事例として読めます。
該当箇所:8:15
4. 「クロール済み – インデックス未登録」はページの品質が低いということか
質問の要旨:サイト公開時から「クロール済み – インデックス未登録」としてインデックスされないページが多くある。途中でサイトマップの更新などによってインデックス数が増えたものの、2週間ほどでやはり外れてしまった。ページの品質が低いことが大きな原因と考えてよいか。またその場合、インデックスされるまで品質の改善とクロールリクエストの繰り返しを行うことは対策として良いと言えるか。
Googleの回答:ページの品質も大切な観点の一つではあるが、ページだけに焦点を当てるのではなく、ウェブ全体への付加価値として考えることも重要なポイントの一つだと考えている。ページ自体は悪くないのに、似たようなページがたくさんある、あるいはそれが同じサイトからのものである、といったケースがある。自動翻訳や、似たようなURL、URLパラメータが多い例が挙げられる。こうしたケースは、そのページが低品質だったり質が悪かったりという意味ではなく、ウェブ全体に付加価値を与えているかどうかを再度確認する必要がある。そしてシステムがそれを認識し理解するまでには多少時間がかかることもある、という点を念頭に置くと落ち着いて対応できると思う。
補足:この回で最も重要な回答です。 「クロール済み – インデックス未登録」を、ページ単体の品質ではなくウェブ全体への付加価値という枠組みで説明しています。
つまり、ページの中身自体は問題なくても、似たような情報がウェブ上に十分にあればインデックスされないことがある。自動翻訳やパラメータ違いの大量生成が例に挙げられていますが、これは「悪いページ」ではなく「重複する価値」の問題だという整理です。
この観点は、同じテーマを扱った他の回と組み合わせると全体像が見えてきます。
- この回:ページ単体ではなくウェブ全体への付加価値で考える
- 2025年8月7日の回:インデックス登録のリクエストやサイトマップ再送信を繰り返しても意味がない
- 2026年3月5日の回:未登録が多くてもサイト全体が低品質とみなされるわけではない
3つ合わせると、対応方針は明確です。サイト全体は引きずられない。手続きを繰り返しても動かない。見直すべきは、そのページがウェブ上に既にある情報と比べて何を足しているかという一点になります。
なお質問にあった「クロールリクエストの繰り返し」については、この回では明確に否定されていませんが、8月の回で「再送信する必要はない」と回答されています。
該当箇所:9:56
5. CMSとSearch Consoleでページ数が合わない
質問の要旨:Q&AページをサブドメインにしてQ&A専用のCMSを入れて運用している。公開しているページ数がCMSとSearch Consoleで異なる。すべてがインデックスされないことは理解できるが、Search Consoleのグラフを見ると最近インデックスされたページが減り、未登録ページが増加傾向にある。公開ページが減っていないのにインデックスだけが減ったのはなぜか。またCMSの都合上、ユーザーには公開されずシステム上だけで出力されるURLがあり、それをGooglebotがクロールしてきているが、どこから発見したものか。
Googleの回答:具体的なサイト情報が添えられていたため確認できた。まず1つ目について、指摘の通りすべてのページをインデックス登録するわけではない。以前インデックス登録されていたページも、時間の経過とともに外れることは十分に起こり得る。2つ目については、自サイトからのリンク、他サイトからのリンク、サイトマップなど、様々な方法でURLを発見している。スパムのようなURLやシステマティックなURLについては、あまり心配する必要はない。今回のケースでは該当のURLは404ページにリダイレクトされていたので問題ないと思った。一般的なコメントとして付け加えるなら、大規模なサイトではページ数を数えること自体が非常に難しい。たとえばURLパラメータはカウントされるのか。厳密に言えばこれらは別々のページになる。数百ページ程度であれば手動で数えたいと思うだろうが、大規模なサイトではそう簡単にはいかない。全体として、URLの数にはこだわりすぎないことを勧める。
補足:CMSの公開ページ数とSearch Consoleの数値を一致させようとすること自体が、あまり生産的ではないという回答です。何をもって1ページと数えるかの定義が両者で違う以上、差が出るのは当然だという話になります。
追いかけるべきはインデックス数の絶対値ではなく、検索からの流入とインデックスされてほしいページが実際に登録されているかどうかです。
該当箇所:12:05
6. サイトマップは毎日送信すべきか
質問の要旨:新しく導入したCMSに、サイトマップをSearch Consoleから毎日送信する機能がある。サイト自体はそれほど更新頻度が多くないので更新のたびに送信すればよいと思っているが、社内では毎日送ったほうがよいという声もある。毎日送る必要はあるか。メリット・デメリットがあれば知りたい。
Googleの回答:サイトマップを毎日送信することは必須ではない。ただし自動化することで、別のチームによる更新の見落としといったヒューマンエラーを軽減できる可能性はある。送信回数を減らしたい特別な理由がないのであれば、毎日実行してもよいと思う。
補足:どちらでも実害はない、という回答です。SEO上の効果があるから毎日送るのではなく、運用の抜け漏れを防ぐ仕組みとして使うなら意味がある、という整理になっています。
なおこの質問の後、司会者から質問者へのメッセージが添えられています。質問文に「いつも楽しみに見ています」というコメントが書かれていたこと、初心者であることを気にされていたことに触れ、誰もが最初は初心者なので気にせず質問してほしい、と伝えています。
該当箇所:15:20
この回で紹介されたお知らせ
- ポイントプログラムのマークアップが新たにサポートされた。Organizationの構造化データにポイントプログラムの定義を、Productの構造化データにポイントプログラムの特典をそれぞれ追加できるようになり、商品の検索結果に特典付きで表示されるようになる
- Google検索結果ページの簡素化にともない、7種類の構造化データ機能のサポートが段階的に終了することが発表された。対象はBook Action、Course Info、Claim Review、Estimated Salary、Learning Video、Special Announcement、Vehicle Listingの7種類。理由は、一般的にGoogle検索で使用されておらず、特有の表示方法がもたらす付加価値が小さくなったと判断したため。このアップデートはページの検索順位に影響しないことが明記されている
構造化データのサポート終了は、実装している事業者にとっては影響の大きい話です。順位には影響しないものの、これまで表示されていた視覚的な機能が出なくなります。特にClaim Review(ファクトチェック)やSpecial Announcementを使っていたメディアは確認が必要でしょう。
まとめ
質問は6件と少なめでしたが、「クロール済み – インデックス未登録」への回答は他の回と合わせて読む価値があります。ページ単体の品質という捉え方から、ウェブ全体への付加価値という捉え方へ視点を移している点が、この回の固有の貢献です。
お知らせで発表された構造化データ7種類のサポート終了は、Googleが検索結果ページの簡素化を進めていることの表れでもあります。使われていない機能を削っていく方向性は、この後のAI検索まわりの整備とも地続きに見えます。


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