Google検索オフィスアワーまとめ|2025年5月29日分

検索を学ぶ

2025年5月29日に公開されたGoogle検索オフィスアワーの内容を、質問ごとに整理しました。質問は8件、収録は21分ほどです。司会は小川安奈さん。

この回は率直な発言が多く出ています。Search Consoleから消えたURLについて「私たちもURLを忘れることがあります」と認めた場面と、「AI生成で嘘の情報を載せているサイトがなぜ上位なのか」という告発に対して、Googleが実際に調べたうえで前提を否定した場面が特に印象的です。

先に:いま読むときの注意点

回答の内容は現在もそのまま通用します。この回で告知されているAI検索向けのブログ記事は、収録時点では英語版のみでしたが、その後日本語版も公開されています。

なおこの回で予告された「次回は6月26日」は予定通りに実施されました。オフィスアワーの公開日が予告からずれ始めるのは、次の6月26日の回以降です。

取り上げられた質問

1. PCとモバイルでページ数が違う場合のcanonical

質問の要旨:ECサイトを運営している。PCサイトとモバイルサイトを持っており、URLは同一だがUIがそれぞれ異なる。商品一覧ページの合計ページ数がPCとモバイルで異なる場合、canonicalはどのように設定するのがよいか。

Googleの回答:デスクトップとモバイルの各種設定については、公式ページ「モバイルサイトとモバイルファースト インデックスに関するおすすめの方法」の各項目を確認するのが分かりやすいと思う。具体的なサイト情報はもらっていないが、今回のケースではURLが同じということなので、シンプルにそのURLを正規化に使用するのが適切だと思う。もし質問の意図と違っていれば、次回以降で知らせてほしい。

補足:質問の核心は「1ページあたりの表示件数が違うためページネーションの総数がPCとモバイルで食い違う」ことにあり、回答はそこまで踏み込めていません。回答者自身も意図が違うかもしれないと断っています。

URLが同一である以上、canonicalは自己参照で問題ないという点は明快です。ページネーションの構成違いについて詳しく聞きたい場合は、具体的なURLを添えて再度質問するのが有効でしょう。

該当箇所:5:30

2. Search Consoleから除外URLが一斉に消えた

質問の要旨:以前まで「インデックス未登録(除外)」として多数表示されていたURLが、ある時点から一斉にSearch Console上に表示されなくなった。該当URLは削除も404/410へのステータス変更も行っておらず、他のカバレッジに移動した様子も確認できない。ページインデックス登録レポートの解説からは、URL総数自体は増えることはあっても減ることはなく、いずれかのステータスに振り分けられるという認識でいる。Google側の処理優先度の変化により可視化対象から外れたのか、それともSearch Consoleの仕様変更が関係しているのか。インデックスやクロール状況に実質的な影響が出ているのか、単に可視化レベルの変化なのかを把握したい。

Googleの回答:具体的なサイト情報が添えられていなかったため一般的な回答になる。まずこの質問では「URL総数は増えることはあっても減ることはない」と述べられていたが、URLの数が決して減らないというのは一概には正しくないと思っている。私たちもURLを忘れることがある。 Googleが検索サービスを開始した1997年以降に認識したURLをすべて記録し続けなければならないとしたら、どれだけのストレージが必要になるか想像してもらえればイメージが湧きやすいと思う。そのためGoogleがURLを忘れることは普通にある。インデックス登録やクロール状況に何か問題が生じている場合には、おそらく別途レポートでアラートが上がっているはずなので、そちらに対応するのがよい。

補足この回で最も価値のある回答です。 Search Consoleから除外URLが消えること自体は異常ではなく、Googleが古いURLの記録を捨てているだけ、という説明になっています。

ストレージの話を持ち出しているのが具体的で、1997年以降に見たすべてのURLを永久に保持するのは現実的でない、というのは言われてみれば当然です。ただこれをGoogle側が明言している場面は多くありません。

実務上の判断基準も示されています。除外URLの増減そのものは追いかけなくてよく、実際に問題があるならSearch Consoleの別のレポートでアラートが出る。Search Consoleの数値の細かい変動を追う作業に、どこで見切りをつけるかの目安になります。

該当箇所:7:02

3. 嘘の情報を載せたAI生成記事がなぜ上位なのか

質問の要旨:最近、運営ページのトラフィックが下がったため確認したところ、他社のページが上位に上がっていた。そのサイトには「AIサポート」と表示されており、AIを使って記事を作成しているようだった。その記事はドイツにある美術館を取り上げたものだが、どこにも存在しない美術館が含まれており、それを紹介している。AIを利用すること自体は問題ないと思うが、なぜ明らかに誤った情報を載せているサイトを上位にしてしまうのか。

Googleの回答:具体的なサイト情報が添えられていたため状況を確認できた。そのうえで担当チームに確認したところ、考えられるすべてのシグナルを調べたが、このサイトはとても好意的に受け取られており、そのページにも問題はないと思う、との回答だった。翻訳上の問題かもしれないが、該当の美術館の説明箇所には、具体的に存在する美術館名とともにその特徴が実際に記述されていた。質問者のサイトについては、公式ページ「Google検索トラフィックの減少をデバッグする」の「掲載順位のわずかな低下」の箇所が参考になるかもしれない。検索結果の上位に表示される順位が少し変わると掲載順位がわずかに低下することがあり、インプレッションに大きな変化がなくてもトラフィックが著しく減少することはある、という内容である。

補足:告発された側を実際に調べて、その前提を否定した珍しいケースです。存在しない美術館ではなく実在する美術館が記述されていた、という具体的な事実確認まで行われています。

ここから引き出せることは2つあります。ひとつは、競合が上位にいる理由を「低品質なAI記事だから」と決めつける前に、自分の読み取りが正しいか確認する必要があるということ。翻訳や表記の問題で誤読している可能性があります。

もうひとつは、自サイトの流入減少の原因が別にあるという指摘です。上位数件の順位がわずかに入れ替わるだけで、インプレッションはほぼ変わらなくてもクリック数は大きく動く。1位と3位ではCTRが大きく違うためです。「順位が落ちていないのに流入が減った」と感じるケースの多くは、この範囲の変動で説明がつきます。

該当箇所:9:47

4. GooglebotのIP判定を導入したいが、同期が遅れたら危険か

質問の要旨:大手ECサイトを運営している。偽物のGooglebotからのアクセスをブロックするため、クローラーのIP判定を導入したいと考えている。Googleが提供しているIP情報に更新があった場合、IP情報の同期が必要になるが、この同期処理が1〜2週間ほど遅れた場合、何らかのリスクが生じる可能性はあるか。

Googleの回答:IPファイル自体は毎日エクスポートされるものとなっている。そのためGooglebotを誤ってブロックしてしまうことを心配している場合には、IPファイルの新しいバージョンも毎日取得することを勧める。GooglebotのIPを誤ってブロックすると、ページがGoogle検索結果から削除されてしまう可能性もあるので、この点は確認・検討してほしい。

補足:1〜2週間の遅れで問題ないか、という質問に対して、毎日更新されているのだから毎日同期せよ、という明確な答えです。最悪の場合は検索結果からページが消えるという結果まで示されており、リスクの大きさが伝わる回答になっています。

なおGoogleクローラーのIP範囲ファイルは、その後2026年に配置場所が変更されています(2026年6月18日の回のお知らせで案内あり)。参照している場合は現在のURLを確認してください。

該当箇所:12:17

5. スパムサイトを見つけたのでやめさせたい

質問の要旨:ある検索クエリで大量の不明なサイトが作成されており、日々タイトルと説明文が異なっている。キーワードハックのようだ。自分が気づいた知人の名前と職業のクエリ以外でも多く作られている。停止してほしいが、スパムなのでどうしたらよいか分からない。

Googleの回答:具体的な氏名のクエリも添えられていたため状況を確認できた。そのうえで、今回のクエリは日本ではとてもよくある一般的な氏名だったため、質問者が言うような大量の不明サイト、もしくはスパムであるとは断定することができなかった。具体的にスパム行為や不正行為のあるページを発見した場合は、公式ページ「スパム、フィッシング、マルウェアを報告する」からスパムページを報告できるので、案内に沿って報告してほしい。

補足:これも前提を確認したら違った、というケースです。ありふれた氏名だったため、同姓同名の別人に関するページが多数存在しているだけ、という可能性が排除できなかった。

人名クエリは特にこの誤解が起きやすい領域です。スパムだと判断する前に、同姓同名の他人のページではないかを疑う必要があります。

該当箇所:13:41

6. URL検査のスクリーンショットに商品画像が映らない

質問の要旨:ECサイトを運営しているが、Search Consoleの「公開URLをテスト」でテストしたページのスクリーンショットを見ると、商品画像がすべて認識されておらず困っている。Lazy Loadが要因と考えて実装を確認したが、Google検索セントラルのドキュメントで推奨される方法で実装されていた。他に考えられる原因はあるか。仮説として、1ページのクロールに時間制限がかけられていてタイムアウトにより残りのリソースが読み込まれていない可能性を考えている。

Googleの回答:具体的なサイト情報が添えられていたため状況を確認できた。ページのパフォーマンスに懸念があるなら、改善に取り組むことはとても良いことだと思う。またGoogle画像検索で対象となる画像がインデックスされているかどうかを確認してもよい。というのも、Google検索ではページを処理している最中に、つまり後ほど画像の抽出を試みる可能性もあるからである。実際にパラメータによっては画像検索に表示されているアイテムもあったので、分析を進めてみてほしい。

補足:URL検査のスクリーンショットに映らない=画像が認識されていない、ではないという回答です。スクリーンショットはある時点のレンダリング結果であり、画像の抽出はその後のタイミングで行われることがある。

検証方法としては、Google画像検索で実際にその画像がインデックスされているかを見るのが確実です。実際にこのケースでも、一部の画像は画像検索に出ていました。ツールの表示だけを見て問題があると判断する前に、検索結果側で確かめる。この回に何度も出てくるパターンです。

該当箇所:15:22

7. リニューアル後、検索結果のタイトルやメタ情報が別のものになる

質問の要旨:先日サイトのリニューアルを実施した。ドメインは変わっていない。301リダイレクトやcanonicalの設置など、移転に際してできることは対応しているが、とあるワードで検索すると検索結果のタイトルやメタ情報が別のものになっている。Google側で新URLを評価中のために起こる事象なのか。検索順位やCTRが落ちているので対応を進めたい。

Googleの回答:具体的なサイトやクエリの情報が添えられていたためデバッグできた。その結果、JavaScriptによるSSOチェックにおいて、該当の記事ページから別ドメインのページなどを経由して複数のリダイレクトを経た後、最終的に記事ページをホストしているトップページを表示しているようだった。この点は、たとえばリッチリザルトテストで特定の記事ページをテストした際に、結果として表示されるHTMLのソースやスクリーンショットが該当のトップページのものになっていることからも確認できる。おそらくこのリダイレクトの問題を解消すれば、時間とともに解決する事象だと思う。対応後も意図しない検索結果が続くようなら、あらためて連絡してほしい。

補足技術的に一番踏み込んだ回答です。 JavaScriptによるSSOチェックが原因で、Googlebotが記事ページではなくトップページに飛ばされていた。だから検索結果に表示されるタイトルやメタ情報がトップページのものになっていた、という筋道が明らかにされています。

検証手順も具体的です。リッチリザルトテストで記事ページをテストし、返ってくるHTMLソースとスクリーンショットが期待通りのページのものか確認する。ここが別のページになっていれば、Googlebotが実際に見ているものが違うということになります。

認証やリダイレクトが絡む構成でタイトルがおかしいときに、まず打つべき一手として覚えておく価値があります。

該当箇所:17:13

8. スマホでだけ意図しないタイトルが表示される

質問の要旨:スマホで屋号を検索するとおかしなタイトルが表示される。titleタグ、h1、og:titleのいずれにも記載していない文字列である。PCで検索するとtitleタグに入れたものが表示されるので問題ない。フィードバックを送ったが変わらないので対処方法を教えてほしい。

Googleの回答:具体的なサイト情報が添えられていたため状況を確認できたが、こちらの環境では再現されなかったため、時間の経過とともに問題は解決したのではないかと思う。タイトルリンクに関して問題が生じた際は、公式ページ「Google検索結果のタイトルリンク(見出し)の変更」のベストプラクティスを確認してほしい。

該当箇所:19:32

この回で紹介されたお知らせ

  • アプリディープリンクに関するブログ記事が公開された。Googleは2013年以来アプリのディープリンクの重要性を認識してきており、この記事ではディープリンクとは何か、使用するメリット、効果的な実装方法、そして現状について取り上げている
  • AI検索で成果を出すためのブログ記事が公開された。収録時点では英語版のみで、日本語版は後日公開予定とされていた。内容としては、Googleが長年提唱してきた考え方が新しいAI検索のエクスペリエンスにも反映されており、引き続きサイト訪問者に焦点を当てたユニークで満足度の高いコンテンツを提供することが有効である、という立場が改めて示されている
  • Google I/Oが開催され、YouTubeにダイジェストや検索に関する機能・セッションの動画が公開されている。日本語の自動翻訳字幕も利用できる

まとめ

この回を通して繰り返されているのは、思い込みを確認する作業の重要性です。

Search Consoleから消えたURLは異常ではなくGoogleが忘れただけかもしれない。上位のAI生成記事は、調べてみたら嘘を書いていなかった。スパムに見えた大量のページは、同姓同名の別人だった。URL検査のスクリーンショットに映らない画像も、画像検索には出ていた。4件が同じ構造をしています。

いずれも質問者が具体的な情報を添えていたからこそ、Google側が確認して事実を返せたケースです。一般論で質問していたら、いずれも一般論で終わっていたはずです。

技術面では、JavaScriptのSSOチェックがGooglebotをトップページに飛ばしていた事例が実用的でした。リッチリザルトテストのHTMLソースとスクリーンショットで確認できる、という具体的な検証手順まで示されています。

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