Google検索オフィスアワーまとめ|2026年6月18日分

検索を学ぶ

2026年6月18日に公開されたGoogle検索オフィスアワーの内容を、質問ごとに整理しました。前回から約3ヶ月空いた回で、質問は11件です。司会は小川安奈さん。

この回の見どころは3つあります。2026年4月に導入された「戻るボタンのハイジャック」スパムポリシーについて、実装レベルの質問が2件続いたこと。GEO(Generative Engine Optimization)を独立した領域として扱う予定があるかを正面から聞かれ、Googleが立場を明確にしたこと。そしてSearch Consoleのリンクレポートの数値が勝手に動く理由が、かなり踏み込んだ形で説明されたことです。

先に:いま読むときの注意点

冒頭で触れられている通り、オフィスアワーの開催ペースが落ちています。この回は前回から3ヶ月空いており、次回は2026年9月中旬の予定とアナウンスされました。3月の回でも「今年は例年通りの毎月開催が難しい」という説明があったので、四半期に一度程度が当面の基本ペースになりそうです。

そのぶん1回あたりの質問数が増え、収録から公開までのラグも長くなっています。この回でも4月中旬時点の質問が6月に回答されており、状況が変わっているケースが実際にありました。

取り上げられた質問

1. Discoverのドキュメントに「テキストを含む画像を使わない」と書かれた件

質問の要旨:3月に更新されたDiscoverのドキュメントに、schema.orgのマークアップやog:imageメタタグでテキストを含む画像を使わないという推奨が追加された。しかしog:imageや構造化データでの画像指定はDiscoverのためだけのものではなく、多くのサイトが読者の体験向上のためにテキスト入り画像を使っている。Web制作で一般的に行われていることをGoogleが非推奨にするとは思えず、意図が分からず混乱している。目的や、許容されない文字の種類などを教えてほしい。

Googleの回答:質問というよりフィードバックとして受け取った。このコメントをもとにドキュメントを更新している。指摘の通り、読者の体験を向上させるためにWeb開発で一般的に用いられている手法を、Googleが非推奨とすることはあまり考えられない。こうしたフィードバックはありがたいので、引き続き寄せてほしい。

補足:実質的に「ドキュメントの書き方に問題があったので直した」と認めた回答です。公式ドキュメントの記述に違和感を覚えたとき、それを言語化して送れば修正されることがある、という実例として押さえておく価値があります。ドキュメントは絶対的な正解ではなく、更新され続けるものだという前提で読むほうが実務的です。

該当箇所:6:53

2. 2月15日からの大きな変動について

質問の要旨:日本で2月15日から過去最大級の変動が発生している。詳しく教えてほしい。いずれ落ち着くのか、それともこの状況が通常になるのか。

Googleの回答:サイトやクエリの情報がないため推測になるが、コアアップデートについての質問と受け取って回答を用意した。Googleは年に数回、検索アルゴリズムとシステムに重要かつ大規模な変更を加えており、これをコアアップデートと呼んでいる。変更があった場合はランキングアルゴリズムのアップデート履歴に掲載している。コアアップデートは有用で信頼できる結果を提供するという使命を果たすためのもので、特定のサイトやページを対象とするものではない。特定のサイトが落ち着くのか、この状況を維持するのかは分からないが、検索システムの更新は今後も続いていく。

補足:個別の変動については答えない、という定型的な対応です。ただしこの質問を検討するなら、時期の切り分けはしておいたほうがいい。2026年2月上旬にはDiscoverコアアップデートがリリースされており([3月5日の回](/seo/office-hours/2026-03-05/)で紹介されています)、Discover経由の流入があるサイトは、そちらの影響と混ざっている可能性があります。ウェブ検索とDiscoverを分けて見るところから始めるのが順当でしょう。

該当箇所:9:00

3. エリアページの内容が重複してしまう

質問の要旨:全国対応の業者で、実店舗がないエリアにも掲載されるため、内容が重複する一覧ページが散見される。このようなケースではどのような処理が望ましいか。

Googleの回答:具体的な情報がないため推測になるが、自社サイト内の検索結果ページについての話と受け取った。重複コンテンツ自体は必ずしも悪いことではないので、その重複が実際に問題を引き起こしているかどうかを改めて確認するのはよい考えだと思う。重複ページを一つに統合することが可能なら、検討してみるのを勧める。

補足:エリアページの量産は日本のサイトで定番の課題ですが、回答の力点は「重複しているかどうか」ではなく「問題が起きているかどうか」に置かれています。インデックスされず流入もないページが積み上がっているなら統合、それぞれ流入があるなら現状維持、という判断で大きく外しません。

該当箇所:11:10

4. Discoverのインプレッションが急落して戻らない

質問の要旨:2026年3月20日前後を境に、Google Discoverのインプレッションが急落した。段階的な低下ではなく、ある日を境に急激に減少している。技術的な問題を修正した後も、4月中旬時点で回復していない。見落としている点がないか相談したい。

Googleの回答:具体的なサイト情報が添えられていたため、状況を確認できた。該当サイトのDiscoverのインプレッション数は、現在は回復しているように見受けられた。変更内容が検索結果に反映されるまでには通常ある程度の時間がかかる点を了承してほしい。

補足:質問時点(4月中旬)と回答時点(6月)で状況が変わっていたケースです。開催ペースが落ちている現状では、急ぎの相談先としてオフィスアワーは向いていません。動画の最後でも、急ぎならSearch Centralヘルプコミュニティを使ってほしいと案内されています。

該当箇所:12:26

5. History APIによるURL操作はスパムポリシー違反になるか

質問の要旨:スパムポリシーに追加されたバックボタンハイジャッキングについて。自社ではJavaScriptでコンテンツの表示を切り替える際、ブックマークや共有の利便性を考えてHistory APIでブラウザ上のURL操作を行っている箇所がある。History APIによるURL操作自体は無限スクロールのベストプラクティスでも紹介されている手法なので、今の実装が直ちに手動による対策やランキング降格の対象になるものではない、という認識でよいか。

Googleの回答:担当者に確認した内容を紹介する。まず「その設定は問題ありません」と一概に言うことはできない。一般的に、ユーザーの操作によってページに変更が生じた場合、その変更をURLに反映させること自体は問題ない。バックボタンハイジャックは、History APIのすべての使い方が悪いという意味ではなく、特定の動作を指しているだけである。

該当箇所:13:52

6. 離脱防止のアラートやレコメンド表示は違反にあたるか

質問の要旨:戻るボタンのハイジャックについて、次のようなケースは違反や手動対策の対象になるか。問い合わせフォームなどで戻るボタンを押した際に「入力が完了していません」とアラートを出す場合。ページから離脱しようとした際に、診断シミュレーションや別の記事を勧めるリンクを表示する場合。

Googleの回答:こちらも担当者に確認した内容を紹介する。まず断っておくと、以前のようにコンプライアンス証明書のようなものを発行することはできない。ユーザーが問い合わせフォームのあるページで一部を入力してから戻るボタンを押すというのは、特殊なケースのように思える。とはいえ、ユーザーの期待が満たされるようにすることを勧める。ユーザーがブラウザの戻るボタンで戻りたいことが明らかであれば、中断されることなく戻れるようにする必要がある。これが数百ページのうち1ページだけであれば、過度に注力する価値はないだろう。しかし、サイトにアクセスして最初のステップとしてフォームを途中まで入力することがよくある場合は、対応を検討する価値がある。

補足:この2問はセットで読むと判断基準が見えてきます。ポリシーが問題にしているのは技術ではなく結果で、ユーザーが戻ろうとしたときに戻れるかどうかが唯一の軸です。History APIを使っているかどうかは関係ない。

もうひとつ実務的なのは、頻度で優先度を決めろという部分です。数百ページのうち1ページなら放置してよい、よくある動線なら直せ、と明示している。ポリシー違反の話でここまで具体的に優先度に踏み込むのは珍しく、逆に言えばGoogle側も全件対応を求めてはいないということでしょう。

該当箇所:15:48

7. Search Consoleで求人情報の表示回数が0になっている

質問の要旨:Search Consoleの求人情報の欄で、表示回数が4月16日からずっと0と表示されている。特定のサイトではなく複数のサイトで同じ事象が観察されている。不具合だろうか。

Googleの回答:具体的なサイト情報がなかったため一般的な回答になるが、2026年4月16日から4月27日までの期間、ロギングエラーにより、検索での見え方のタイプのうち「求人検索用の求人情報」と「求人の詳細」のインプレッション数とクリック数がレポートされていなかった。おそらくこの影響を受けた可能性が高い。詳しくはSearch Consoleのデータ異常のページを参照してほしい。その後も表示に問題があるように感じられる場合は、別途質問してほしい。

補足:Search Consoleの数値がおかしいと感じたとき、まず見るべきは「データ異常」のページです。日付が判明している既知の不具合はここに記録されているので、自サイトの問題かどうかを切り分けられます。複数サイトで同じ日から同じ症状が出ているなら、まずここを疑うのが早い。

該当箇所:17:47

8. GoogleはGEOを独立した領域として扱うのか

質問の要旨:GoogleのLCS(ラージカスタマーセールス)部門で、GEOプレイヤーとのエコシステム構築やパートナーシップ推進を担うポジションの求人が出ているのを見た。Google社内でもGEOを従来のSEOとは異なる新しい独立した領域として認識し、戦略的に動いているのだと理解している。広告セールス部門とオーガニック検索が独立していることは承知しているが、GoogleがこれだけGEO領域に注力し始めている中で、検索側からも従来のSEOと明確に切り分けたGEOとしての公式なガイドラインやベストプラクティスを発信していく予定や議論はあるのか。以前は従来のSEOの延長線上にAI検索があるという話だったが、今後は違うのか。

Googleの回答:広告部署などにも幅広く興味を持ってもらえているのは嬉しい。ただ認識されている通り、自分たちは検索の部署であり、他部署の取り組みについて言える立場にはない。AI検索に向けた内容として今言えることは、公式ドキュメント以上のことはない。つまり、Google検索の生成AI機能はコアとなる検索ランキングと品質システムに根差しているため、SEOのベストプラクティスは引き続き有効である、というコメントになる。詳しくは新しく公開した「Google検索の生成AI機能向けにウェブサイトを最適化する」のガイドを確認してほしい。

補足:質問の作り込みが見事で、求人票という外形的な事実を根拠に「社内ではGEOを別領域として扱っているのではないか」と迫っています。それに対する回答は、これまでの公式見解を一歩も動かしていません。生成AI機能はコアのランキングシステムに根差しているのでSEOのベストプラクティスが有効、という立場です。

ただ、事実として並べると少しねじれています。この回では「Google検索の生成AI向けに最適化するための新しいリソース」と、生成AI機能向けの最適化ガイドの公開が紹介されている。つまり専用のガイドは実際に作られ始めている。言葉としてGEOという領域分けを認めない一方で、生成AI向けの記述は独立したページとして増えているわけです。

読み方としては、「SEOと別物の新技法がある」わけではないが「生成AI機能特有の考慮事項は存在し、Googleもそれを文書化し始めている」あたりが実態に近いと思います。GEOという言葉に振り回されるより、この新しいガイドの記述を追うほうが確実です。

該当箇所:19:34

9. OGPのみに使う画像をprimaryImageOfPageで指定してよいか

質問の要旨:構造化データは当該ページでユーザーに実際に表示される内容を記述する必要があるという原則がある。そのためOGPのみに使用している画像を指定すると、構造化データのスパムと誤認される恐れがあるのではないか。

Googleの回答:担当者に確認した内容をそのまま紹介する。OGP画像がページ上に必ず表示されなければならないかというと、必ずしもその必要はない。ページ上の他の画像と類似しているか、そのバリエーションの一つである画像であるべき、ということになる。たとえばOGPではアスペクト比の異なる画像を使うのが一般的で、「ページ上でユーザーに実際に表示されているコンテンツを表す」という表現は正しいが、必ずしも同じバイトである必要はない。

補足:[3月5日の回](/seo/office-hours/2026-03-05/)で、テキスト検索結果画像を制御する手段としてprimaryImageOfPageとog:imageによる優先画像の指定が公式ドキュメントに追加されたことが紹介されました。この質問はその直接の追質問にあたります。3ヶ月で読者側の理解が実装レベルまで進んでいるのが分かる流れです。

「同じバイトである必要はない」という言い方が実務的で、OGP用に切り出したアスペクト比違いの画像を指定しても構造化データのスパムにはならない、と読めます。

該当箇所:22:18

10. リンクレポートの内部リンク数が勝手に変動する

質問の要旨:Search Consoleのリンクレポートで、内部リンク数トップのページが2番目の約2倍として表示されている。共通テンプレートや構造上、これほどの差が出ることは物理的にありえない。しかもトップのページは固定されておらず定期的に入れ替わり、HTML上のリンク構造は変えていないのに数値だけが大きく変動する。特殊なカウントルールがあるのか。また、一部のページが「重複、Googleがユーザーとは異なる正規ページを選択しました」として定期的にインデックスから外れるが、その際にGoogleが正規URLとして選ぶのは決まってリンク数が最も多いとされているページである。

Googleの回答:Googleは内部リンクのデータを正規URLごとにグループ化するため、特定のページの合計数が自然に増加する。このレポートは、サイトのさまざまなセクションが再クロールされる際に非同期に更新される、過去に発見されたリンクのサンプルに基づいている。そのため数値は正確なリアルタイムのカウントではなく、サイト階層のローリング推定値を反映している。こうした背景があるため、実際のHTMLに変更がなくてもリンク数の多いページが定期的に変動するのは自然なことである。これは正規化には影響しない。むしろ正規化の変更による症状である可能性が高い。詳細はリンクレポートに関する公式ブログを参照してほしい。

補足:この回で一番情報量が多い回答です。リンクレポートの数値が実際のHTMLと合わない理由が、3点に整理されています。正規URLごとのグループ化、サンプルベースであること、非同期更新によるローリング推定値であること。

そして質問者の因果関係を逆にひっくり返しているのが重要な部分です。質問者は「リンク数が多いページが正規URLに選ばれている」と見ていましたが、Googleの回答は正規化が先に起きていて、その結果としてリンク数の集計が動いているという説明になっています。内部リンクを増やして正規URLを操作しようとしても意味がない、ということでもあります。

該当箇所:23:53

11. 翻訳元と翻訳先のURLの片方しかインデックスされない

質問の要旨:昨年11月から運用しているサイトで、翻訳元と翻訳先のURLの片方しかインデックスされず、もう片方は「重複、Googleにより、ユーザーがマークしたページとは異なるページが正規ページとして選択されました」となってインデックスから外れるようになった。英語ユーザー向けのコンテンツを公開すると、もともと人気だった翻訳元のベトナム語コンテンツが検索されなくなる事態も生じている。意図した挙動でなければ確認してほしい。

Googleの回答:具体的なサイトやページの情報が添えられていたため、状況を確認できた。担当チームにも確認したが、これらのURLは徐々に回復しているとのこと。担当チームでも議論したが、問題はおそらくこれらのURLがGooglebotに対して同じ、あるいは非常に類似したコンテンツを提供していたことにあると思われる。サーバーの設定ミスかソフト404ページだった可能性もあるが、詳細は不明。残念ながらこれ以上調査するための履歴や記録が残っていなかった。役に立つ回答にならず申し訳ない。

補足:珍しく「分かりません」で終わっている回答です。原因の候補は挙がっているものの、Google側にも当時のログが残っておらず追跡できなかった。

ここから引き出せる教訓は、異常が起きた時点で自分の側にログを残しておくことの重要性です。Googlebotのアクセスログ、当時のレスポンス、レンダリング結果。数ヶ月後にオフィスアワーで質問しても、Google側の記録は消えている可能性が高い。証拠を持っているのが自分だけ、という状況は普通に起こります。

該当箇所:27:09

この回で紹介されたお知らせ

  • GoogleクローラーのIP範囲ファイルの場所が変更された。GoogleのIP範囲を一覧表示するJSONファイルを参照している場合は確認が必要
  • Googlebotの内部構造についてのブログが公開された。クロールインフラストラクチャ、特にバイトサイズの制限に焦点を当てた内容。関連してSearch Off the Recordのエピソード105でも詳しく取り上げられている
  • 戻るボタンのハイジャックに関する新しいスパムポリシーが導入された。ユーザーが戻るボタンをクリックしたときに、前のページではなく未訪問のページにリダイレクトされたり、意図しない広告やおすすめが表示されたりする行為が対象
  • Google検索の生成AI向けに最適化するための新しいリソースが公開された。「Google検索の生成AI機能向けにウェブサイトを最適化する」というガイドページが用意されている
  • Search Consoleに検索の生成AIパフォーマンスレポートが導入された。検索とDiscoverそれぞれの専用レポートが含まれ、AIによる概要やAIモードなどでのインプレッション数を確認できる。現時点では一部のサイトへの段階的な導入で、まだ広範囲には提供されていない

まとめ

新しいスパムポリシーの導入直後らしく、実装レベルの質問が具体的に飛んできた回でした。History APIを使っているかどうかではなく、ユーザーが戻ろうとしたときに戻れるかどうかで判断する。しかも全件対応は求められていない。この温度感は、ポリシーの原文だけを読んでも掴みにくい部分です。

GEOについての回答は、聞き方の作り込みも含めて記録に残る内容でした。Google検索チームは「SEOのベストプラクティスが引き続き有効」という立場から動いていない。一方で生成AI向けのガイドとSearch Consoleのレポートは着実に整備されている。この2つは矛盾ではなく、公式の言葉と実際の整備状況を分けて追う必要がある、ということだと思います。

なお開催ペースが四半期に一度程度になったため、急ぎの相談先としては使いにくくなりました。動画中でも案内されている通り、Search Centralヘルプコミュニティのほうが回答は早いです。

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