2025年9月25日に公開されたGoogle検索オフィスアワーの内容を、質問ごとに整理しました。質問は8件、収録は20分ほどです。司会は小川安奈さん。
この回で押さえておきたいのは、AI Overviewsが表示されたときにSearch Consoleの掲載順位がどうカウントされるかが明言されたこと、そしてhead内にbody用の要素が混入したときにブラウザとGooglebotがどう振る舞うかが技術的に説明されたことです。
先に:いま読むときの注意点
回答の内容は現在もそのまま通用します。ただしこの回の最後で「次回は2025年10月30日を予定」とアナウンスされていますが、実際に次の回が公開されたのは12月18日でした。2025年後半からオフィスアワーの開催間隔は不安定になっており、[2026年3月5日の回](/seo/office-hours/2026-03-05/)では「例年通りの毎月開催が難しい」と正式に説明されています。
また、この回で告知されたSearch Central Live Tokyoは2025年11月7日に開催済みです。
取り上げられた質問
1. クロールの統計情報のサンプルURLは全体の傾向を反映しているか
質問の要旨:Search Consoleのクロールの統計情報で提示されるURLについて。Googlebotがクロールしたサンプルが提供されるが、この傾向は実際にサイト内の膨大なURLをクロールする際の傾向と一致しているのか。たとえば特定日のサンプルで /aaa/ を含むURLが7割、/bbb/ が3割だった場合、実際のクロールもその比率なのか。またサンプルの割合が突然変わった場合、そのタイミングでサイト全体のクロール傾向が変わったと捉えてよいか。
Googleの回答:そのような仮定は保証できない。サンプルURLの傾向は、実際のクロール結果全体に当てはまるものではない。サンプルはあくまでサンプルであり、すべてが同じサブディレクトリから取得されている場合もあれば、すべて異なるサブディレクトリから取得されている場合もある。そのため質問者の認識の通り、最終的にはサーバーログを確認する必要がある。
補足:Search Consoleのサンプルデータから全体を推測してはいけない、という明確な回答です。この回では後半の質問でも同じ趣旨が繰り返されており、[8月7日の回](/seo/office-hours/2025-08-07/)のGooglebotダウンロードサイズの質問でも「集計値だけを見て判断するのは避けるべき」と回答されています。クロール周りの分析はサーバーログに戻るしかない、というのがGoogleの一貫した立場です。
該当箇所:4:08
2. head内にdivやiframeを書くとそれ以降は無効になるのか
質問の要旨:headタグ内にdivやiframeなど、本来body内にしか書いてはいけない要素を記述すると、それ以降のhead内の記述が無効化される可能性があると聞いた。この認識で相違ないか。また、その要素がサーバーサイドで出力された場合と、JavaScriptで後から追加された場合とで、より下に記述されたcanonicalなどが無視されるか有効になるかの差はあるか。
Googleの回答:より一般的に技術的な話をする。技術的には、ブラウザはhead内で許可されていない要素を見つけると自動的にbodyを開くようになっている。そのため、その下のすべてがbodyの一部とみなされ、多くの制御が無効になる。
補足:短い回答ですが、仕組みとしては明快です。パーサーがそこでheadを閉じてbodyを開いてしまうため、以降に書かれたcanonicalやrobots metaは「body内のタグ」となり、機能しなくなります。
同じテーマが[2026年3月5日の回](/seo/office-hours/2026-03-05/)でも取り上げられていて、そちらでは「実害が出ていないなら緊急度は高くないかもしれないが、HTMLの健全性のために修正は推奨」という優先度の話に踏み込んでいます。仕組みを知るならこの回、対応の優先順位を決めるなら3月の回、という読み分けができます。
なおサーバーサイド出力かJavaScript追加かの差については、この回では明確な回答が出ていません。ただしGooglebotは初期HTMLを解析した後にレンダリングを行うので、初期HTMLの時点で混入しているかどうかで挙動が変わる可能性はあります。実装を確認するならURL検査ツールでレンダリング後のHTMLを見るのが確実です。
該当箇所:6:08
3. 旧ドメインが検索結果に残っている。301で評価は分散するか
質問の要旨:特定のクエリで検索すると、すでに使用していない旧ドメインのURLが検索結果に表示される。クリックすると現行ドメインへリダイレクトされる。現行ドメインのページやサイトマップに旧ドメインは一切記載していないため、外部サイト経由のクロールでインデックスされている可能性を考えている。旧ドメイン側のSearch Consoleは社内で管理しておらず、詳細を確認できない。原因と対処方法を知りたい。また旧ドメインから現行ドメインへ301リダイレクトを設定済みだが、これによりドメインの評価が分散するリスクはあるか。
Googleの回答:サイト移転については公式ドキュメントの「サイトを移転する方法」を読んでほしい。そのページにも記述がある通り、301や302などサーバーサイドのリダイレクトによってページランクの損失が生じることはない。
補足:評価の分散を心配する質問に対して、リダイレクトによる損失はないと明言しています。ドメイン移転後に旧URLが検索結果に残ること自体は珍しくなく、リダイレクトが正しく機能していれば実害は限定的です。
該当箇所:7:38
4. クロールリクエスト数が急に減った
質問の要旨:運営中のサイトのクロールリクエスト数が8月9日を境に大幅に減少した。エンジニアによる調査も行ったが、サーバー側にファイアウォールのブラックリストなどもなかった。下がった要因と、戻すためにできることを知りたい。
Googleの回答:具体的なサイト情報が添えられていたため、状況を確認できた。一般的に、Google側の変更によってシステムがクロール量を抑えることがある。通常はその後、再び増加する傾向にある。いただいたサイト情報から確認したところ、今回の件はまさにこれにあたるとのことだった。
補足:サイト側に原因がなくても、Google側の都合でクロール量が変動することがある、という回答です。この質問者はサーバー側を調べ尽くしたうえで質問しており、具体的な情報を添えたことで「あなたのケースはこれです」という個別の確認まで得られています。
該当箇所:9:23
5. AI Overviewsが表示されたとき、通常検索1位の掲載順位は何位になるか
質問の要旨:Search Consoleの平均掲載順位について。AI Overviewsが最上位に表示された際、その1つ下の通常の検索1位に表示され、AI Overviewsには表示されていないURLの掲載順位は1位なのか2位なのか。
Googleの回答:この場合、最上位に表示されたAI Overviews内に記載されたURLが掲載順位1位となり、その下の通常検索1位に表示されAI Overviewsには表示されていないURLの掲載順位は2位となる。掲載順位の計算方法については公式ヘルプの「表示回数、掲載順位、クリック数とは」を確認してほしい。
補足:この回で最も実務的な回答です。 AI Overviewsは掲載順位を1つ消費する、という明確な答えになっています。
意味するところは大きくて、自サイトの順位が変わっていなくても、そのクエリでAI Overviewsが表示されるようになっただけでSearch Console上の平均掲載順位は下がります。2025年以降に「順位が下がった」と見えているケースの一部は、この計算方法の影響を受けているはずです。
順位の変動を分析するときは、そのクエリでAI Overviewsが出るようになったタイミングを併せて確認する必要があります。純粋な順位下落なのか、表示形式の変化による見かけ上の下落なのかで、打つべき手はまったく変わってきます。
該当箇所:10:44
6. サイト名で検索しても表示されない
質問の要旨:あるテーマで13年間ほぼ毎日更新しているブログを運営している。開設時にインデックス登録されていたが、いつの間にか外れていることに気づいた。最近いろいろ試したが登録に至らない。現在サイト名で検索しても何も出てこない。原因と対応策を教えてほしい。
Googleの回答:具体的なサイト情報が添えられていたため確認できた。URLは「blog」の付かないドメインへリダイレクトされていた。おそらくどこかのタイミングでドメインを変更したのではないかと思う。またサイト名で検索すると、こちらの環境では検索結果の1ページ目にそのリダイレクト先のトップページが表示されている。特に問題ないように思うが、確認してほしい。
補足:質問者が「表示されない」と認識していた状態が、Google側で確認すると表示されていた、というケースです。旧URLで確認していたか、パーソナライズや検索環境の違いで見え方が異なっていた可能性があります。
インデックスされていないと判断する前に、URL検査ツールと site: 検索の両方で、どのURLがインデックスされているのかを確定させるのが先です。
該当箇所:12:04
7. フィッシングの警告が繰り返し出る
質問の要旨:Search Consoleのセキュリティの警告で「ユーザーログインでフィッシングの可能性を検出」というエラーが、今年に入ってから4回検知されている。警告の詳細には該当URLの記載がなく、自社のログインページを確認しても問題は見当たらない。そのため再審査リクエストを行うと翌日には解除される。今後も続く可能性があり、サイト評価に悪影響が及ばないか懸念している。
Googleの回答:具体的なサイト情報が添えられていたため、担当チームに詳細を確認できた。一般論として、この種の通知はGoogleのシステムがフィッシングサイトの可能性があると判断した場合に表示されることがある。サイト管理者はまず、自身のログインページにユーザーを誤解させるような要素がないか、第三者によって不正なコンテンツが設置されていないかを改めて確認してほしい。詳細はSearch Consoleヘルプの「セキュリティの問題レポート」を参照。確認して問題がないと判断した場合は、Search Consoleから再審査リクエストを送信する。これがGoogleに再審査を依頼する方法である。質問にあるように、再審査後に解除されるものの、しばらくして再び通知が表示されるケースも稀にある。これはGoogleのシステムが定期的にサイトをチェックしているため。そのような場合でも、サイトに問題がないことを確認したうえで、都度再審査リクエストを送信するのが現在の正しいプロセスとなっている。
補足:繰り返し出る警告への対応が「都度、再審査リクエストを送る」で正しい、と確認された回答です。回答の中で「腑に落ちない警告が複数回来て不安に思う気持ちはよく分かる」と前置きしたうえで、担当チームに確認した現在のプロセスを伝えており、根本的な解決策がないことを認めた形になっています。
同じ警告が繰り返される場合、サイト側の問題ではなく検出側の判定の揺れである可能性があるものの、放置してよいという話にはなっていない点に注意してください。
該当箇所:13:44
8. 正式名称で検索すると公式ページが出ない
質問の要旨:あるページはインデックスされており、タイトル・本文ともに漫画作品名を含んでいる。ところが正式な作品名で検索するとこのページが検索結果に出ず、短縮形で検索すると公式ページが上位に表示される。作品名で検索した場合は検索結果の件数が極端に少なく、著作権侵害に関する申し立てにより一部結果を削除したというDMCA通知が表示される。Lumenデータベースで公開されている削除リクエストを確認したが、公式URLは削除対象に含まれていない。削除対象に含まれていないのに公式ページが表示されないケースは想定されるのか。また正しく表示されるようにするにはどうすればよいか。Search Consoleのフィードバック送信は実施済み。
Googleの回答:具体的なサイト情報が添えられていたため状況を確認できた。本件について担当チームに報告した。フィードバックに感謝する。
補足:回答が「担当チームに報告した」で終わっている、この回で唯一のケースです。実質的に不具合として受理された、と読める内容になっています。
質問の作り込みが際立っていて、Lumenデータベースで削除リクエストの実物まで確認し、公式URLが対象外であることを突き止めたうえで持ち込んでいる。ここまで詰めた質問はGoogle側も一般論で返せません。オフィスアワーで実質的な対応を引き出したいなら、どこまで自力で切り分けたかを示すことが有効だと分かる例です。
該当箇所:17:03
この回で紹介されたお知らせ
- Search Central Live Tokyoが2年ぶりに東京で開催されることが告知された。開催は2025年11月7日、会場はGoogleの東京オフィス。参加者からのライトニングトークを募集しており、提案の締め切りは10月5日
- 今回から参加登録時に希望トピックを聞く形式になった。様々なバックグラウンドを持つ参加者にとって関連性が高く有益なアジェンダを組みたい、という意図によるもの
まとめ
技術的な回答が多い回でした。中でもAI Overviewsと掲載順位の関係は、Search Consoleの数値を扱う人であれば知っておくべき内容です。AI Overviewsが順位を1つ消費するということは、自サイトが何も変わっていなくても平均掲載順位は下がり得るということでもあります。
もうひとつ通底しているのが、Search Consoleの集計値をそのまま信じるな、という姿勢です。クロールの統計情報のサンプルURLは全体の傾向を表さない。詳細を知りたいならサーバーログを見る。[8月7日の回](/seo/office-hours/2025-08-07/)でも同じ結論が出ており、この時期のGoogleが繰り返し伝えようとしていたメッセージだと読めます。


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