2024年6月27日に公開されたGoogle検索オフィスアワーの内容を、質問ごとに整理しました。この回は5問と少なめで、収録時間も15分ほどです。
司会は小川安奈さん。取り上げられたのは、モバイルファーストインデックスの移行完了直前の対応、コピーサイトに正規URLを奪われたケース、記事をリライトすべきか新URLで作るべきかという判断、パラメータ付きURLのインデックス、非同期で表示するコンテンツの扱いでした。
先に:いま読むときの注意点
この回は、Googleがモバイルファーストインデックスへの移行を完全に終える直前に公開されています。動画中で案内されている「2024年7月5日以降」という期限はすでに過ぎており、現在デスクトップ版Googlebotでクロールされるサイトはありません。1問目はこの前提を踏まえて読んでください。
一方で、2問目以降の回答は今もそのまま通用します。特にcanonicalの位置づけについての説明は、公式の言い方として引用できる水準のものです。
取り上げられた質問
1. スマホとPCで別々のURLを使っている場合、アノテーションは続けるべきか
質問の要旨:7月5日以降にPC版クローラーが原則稼働を終えると理解した。スマートフォン版とPC版を別々のURLで実装している場合、URLアノテーションは引き続き必要か。PC版がクロールされなくなると、デバイス別のURLが正しく認識されなくなるのではないかと心配している。
Googleの回答:モバイル版とデスクトップ版の両方にアノテーションを実装しておくことは、Googleがコンテンツを正しく理解するうえで有効な手段である。現状で問題が起きているわけではないが、別々のURLでサイトを運営する構成はさまざまなことを複雑にしてしまうため、Googleとしてはあまり勧めていない。運営方針や歴史的な事情からその構成になっている場合は、理解したうえで運用していれば問題ない。ただしこれから設計を考える人は、こうした側面も踏まえてほしい。
補足:「やめろ」ではなく「勧めない」という言い方に留めているのがポイントです。既存の別URL構成を今すぐ作り直す必要はないが、新規で選ぶ理由はもうない、という温度感で受け取るのが妥当でしょう。
該当箇所:4:11
2. 記事を丸ごとコピーしたサイトが正規URLに選ばれてしまった
質問の要旨:Search Consoleからページが重複しているとメールが届いた。確認すると、Googleが選択した正規URLが自サイトではなく、記事を丸々コピーした別サイトになっていた。インデックス登録をリクエストするだけでよいのか。コピーサイトが記事を削除しなければ、正規URLはコピー側のままだったのではないか。正規URLを奪われないために、自分の側でできる対策はあるか。
Googleの回答:質問に具体的なサイト情報が添えられていたため、実際に状況を確認できた。今回のケースはスパムサイトによるコピーコンテンツの悪用にあたる。このような場合は、スパム行為や不正行為のあるページ、質の低いページを報告するためのフォームが用意されているので活用してほしい。著作権侵害としてGoogle検索結果からの削除を求めるDMCAのプロセスもあるが、こちらは法的な手続きになるため、専門家に相談したうえで進めてほしい。
補足:見落とされがちですが、この回答で一番実用的なのは「具体的なサイト情報が添えられていたので確認できた」という部分です。オフィスアワーに質問を送るとき、URLを添えるかどうかで回答の解像度が変わります。一般論しか書かなければ一般論しか返ってきません。
該当箇所:5:52
3. 情報が古くなったとき、リライトすべきか新しいURLで作るべきか
質問の要旨:アプリの使い方を公開しているサイトを運営している。アプリのバージョンアップや仕様変更に合わせて、これまでは同じURLのページをリライトしてきた。しかし著名なSEO専門家が「古い情報はそのまま残し、新しいURLで作るべき」という趣旨の話をしていた。どちらがよいか。
Googleの回答:その専門家の発言がどういう文脈で出たものかは分からないが、まずはユーザーについて考えることを勧める。アプリの場合、最新版ではないバージョンを使っている人や、バージョン番号で検索する人がいる。そうしたユーザーがいるなら、ページをリライトしてしまうと求めている情報にたどり着けなくなる。自分たちのユーザーがどういう人で、どのようにアプリを使い、いつ使い方のサポートページを必要とするのか。そこを考えれば、運営方法は必然的に定まっていくはずだ。
補足:SEOの正解を示すのではなく、判断基準を渡して終わっている回答です。実務に落とすなら、バージョンごとの需要が実在するか(バージョン番号を含む検索クエリがSearch Consoleに出ているか)を確認するのが早い。出ていれば分割、出ていなければ統合でおおむね困りません。
該当箇所:8:01
4. パラメータ付きURLにcanonicalを設置すればインデックスされるか
質問の要旨:パラメータが変わると表示内容も変わるページが5000件ほどあり、内容が重複することはない。しかしSearch Consoleで確認すると、少なくない数が「重複しています。ユーザーにより、正規ページとして選択されていません」となり、インデックスされていない。確実にインデックスさせる手段としてcanonicalの設置は効果があるか。そもそもパラメータ付きURLにcanonicalを設置して問題はないか。
Googleの回答:パラメータ付きURLであってもcanonicalの設置は有効な手段になる。ただしcanonicalは適切なURLを特定するのに役立つものであり、そのページをインデックスすると約束するものではない。ページの品質をはじめ多くの要因によって、インデックスするかどうかが決まるためだ。したがって「確実に」とは言えないが、canonicalの設置は有効であり、今回のケースでも特に問題はなさそうだ。eコマースサイトを見つけやすくするための公式ガイドも参考にしてほしい。
補足:canonicalはあくまでヒントであってインデックスの保証ではない、という原則の確認です。裏を返すと、5000ページがインデックスされない原因はcanonicalの有無ではなく、ページの中身のほうにある可能性が高い。タグを足す前に、そのページ群に本当に検索需要があるかを見たほうが近道です。
該当箇所:9:56
5. 非同期で表示するコンテンツをrobots.txtでブロックするとどうなるか
質問の要旨:非同期処理で呼び出し、ページ訪問から遅れて表示されるコンテンツがある。クローラーを締め出してソフト404とみなされることを懸念し、robots.txtは原則Allowにしている。非同期リクエストもAllowにしなければ、その部分はクローラーのアクセス時にリクエストされないのか。Disallowにするとソフト404とみなされる可能性はあるか。
Googleの回答:スクリプトを使う際にGoogleからの見え方を気にする人は多い。そうした場合はURL検査ツールを使えば、Googlebotがサイトをどう認識しているかを確認できる。コンテンツの表示方法が複雑な場合、Search Consoleのような一般的なツールでテストするとステータスを理解するのに役立つ。HTMLで見ても、スクリーンショットで見てもよいので、実際に確認しながら進めるのがよい。
補足:ソフト404になるかどうかへの直接的な答えは返っていません。ただ実装の観点で言えば、JavaScriptやAPIのエンドポイントをDisallowにすればレンダリング結果からその部分が欠けるので、欠けた結果が中身の薄いページになればソフト404と判定されることはあり得ます。だからこそ回答も「推測せずURL検査で実際のレンダリング結果を見ろ」に着地しているのだと読めます。
該当箇所:12:09
この回で紹介されたお知らせ
- 組織レベルの返品ポリシーの構造化データがサポートされた。個々の商品ごとに定義しなくても、自社の一般的なポリシーを指定できるようになった
- モバイルファーストインデックスの移行について、当時まだデスクトップ版Googlebotでクロールされていた少数のサイトも、2024年7月5日以降はモバイル版Googlebotでクロールされることになった。ほとんどのサイトで対応は不要
- Google Search CentralのLinkedInアカウントが開設された
まとめ
5問のうち3問が、インデックスと正規URLをめぐる話でした。canonicalは万能ではなくヒントに過ぎない、という点が繰り返し確認された回だと言えます。
コピーサイトに正規URLを奪われた件は、対処法そのものよりも、質問に具体的なURLを添えたことで実際に調査してもらえたという事実のほうが参考になります。オフィスアワーは一般論を聞く場としても使えますが、状況を添えれば個別に見てもらえる場でもあるということです。


コメント